レビュー著者: 漫画よしあし
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寄宿学校のジュリエット の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 犬塚の主人公力と一途さが最高。どんな逆境でも正面から突破しようとする彼の行動力に、読んでいて自然と感情移入してしまいます。ジュリエットと二人で肩を並べるシーンの絵になりかたが格段に格好良い。
- 「Romeo and Juliet」の翻案として、現代の少年漫画に落とし込んだ構成が見事。シリアスな政治スリルとコメディの緩急がうまく機能していて、一本の物語として読み応えがあります。
- ジュリエットのキャラクターが強くて可愛い。夢に向かって真剣に努力する彼女の姿と、犬塚に対してだけ見せる柔らかな表情のギャップに心を持っていかれます。二人の関係の変化が本当に丁寧に描かれています。
- ライバルキャラや周辺人物たちの描き方も丁寧で、サブカップルの恋愛模様も楽しめます。全体的にキャラクターへの愛情が伝わってきて、誰も見捨てない作者の誠実さを感じる作品です。
- クライマックスに向けての展開が熱い。序盤の「恋の秘密を守る」コメディから、後半の「国と夢を賭けた戦い」へのシフトがしっかり物語としての成長感を与えてくれます。少年漫画の王道が詰まっています。
悪い所
- ジュリエット以外のヒロインたちが「負けヒロイン」として描かれることが明確すぎて、彼女たちへの感情移入が深まるほど読んでいてせつなくなる場面があります。複数ヒロインものの宿命ですが、扱いの差が気になりました。
- 「秘密の関係」という設定が物語の大半を引っ張るため、周囲へのバレを避ける展開のドタバタが繰り返されることへのマンネリ感を感じてしまう時期があります。もっと早くに関係をオープンにする選択肢が欲しかった。
- コメディパートのノリが非常にテンション高く、笑いの感性が合わないと少し置いてきぼりを感じてしまうかもしれません。ギャグとシリアスの振れ幅が大きいので、読者によってテンポへの好みが分かれます。
- 後半の国家を巻き込んだシリアス展開も熱いけど、私は初期の「バレたら終わりの秘密の学園ラブコメ」のドタバタ感が大好きだったから、スケールが大きくなってあの日常のわちゃわちゃ感が減ったのは寂しかった。
- 犬塚の能力や体力描写が、物語後半になるほど「強さのインフレ」を感じさせるシーンがあり、序盤の等身大の少年らしさが失われてきていると感じる場面もありました。





