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最終更新日:

MFゴースト の感想と評価(良いところ、悪いところ)

MFゴースト

MFゴースト

著者: しげの秀一

連載: 週刊ヤングマガジン

ジャンル: ドラマアクションレース

評価: 8.7/10

あらすじ

しげの秀一が描く、内燃機関(ガソリン車)が絶滅しかけた近未来の日本を舞台にした新世代の公道レース。ドローンによる全世界中継が行われるレースイベント「MFG」を舞台に、イギリスのレーシングスクールを卒業した天才、カナタ・リヴィントンが、ローパワーな「トヨタ・86」で圧倒的な排気量を誇る欧州スーパーカーたちに心理戦と超絶テクニックで挑む。伝説を継承しながら、現代の技術と情熱が交錯する加速の物語。

良い所

  • まさに『頭文字D』の正統な後継作!レース描写の疾走感と、ドローンカメラによる現代的な演出が非常に格好良い。カナタの、どこか浮世離れした冷静なテクニックと、ハチロクが格上の車を抜き去る瞬間にゾクゾクします。
  • タイヤのグリップや空力といった、物理的な理論に基づいた解説が随所にあり、レースの駆け引きに強い説得力があります。しげの先生らしい、エンジン音やスキール音が紙面から聞こえてくるような熱量が素晴らしいです。
  • 前作のキャラクターたちが少しずつ登場するファンサービスも憎い演出。カナタ自身のルーツを探るミステリー要素もあり、単なる車漫画以上の深みを感じます。スーパーカーを翻弄するハチロクの美学が最高。
  • 各メーカーの最新車種が惜しみなく登場するので、車好きにはたまりません。欧州勢のハイパワーを、コース取りと「神眼」とも呼ばれる観察眼で凌駕していくカタルシスが、この作品の最大の魅力です。
  • 初期の頭文字Dを彷彿とさせる、ダウンヒルでの緊迫感がデジタルな演出と組み合わさり、新しい時代のモータースポーツ漫画として完成されています。一気に全巻読み進めてしまう中毒性があります。

悪い所

  • カナタの才能が最初から圧倒的すぎて、前作のような「泥臭い努力で格上を食う」熱さが少し足りない!あまりにもスマートに勝ち進むので、もう少し彼が絶望的に苦戦して這い上がる姿を見たかった。
  • レースシーンにおける特定の車種の強さや性能の解釈が、現実のスペックと照らし合わせると少し疑問を感じる箇所も。リアリティよりも漫画的な「ハチロク最強」の演出をどう捉えるかで評価が分かれるかも。
  • 登場人物(特に女性キャラ)の描写やセリフ回しに、かなり強い作家性が反映されていて、最近の平均的なラブコメ等に慣れている読者には、少し古風というか癖が強すぎると感じてしまう可能性がある。
  • ドローン中継の実況セリフが、レースの臨場感を高める一方で、少しクドく感じられたり、展開を説明しすぎているように思えて没入感を若干削いでしまう瞬間がたまにありました。
  • 物語のスケールが非常に大きい反面、個々のライバルたちの掘り下げが少し物足りないと感じることも。もっと彼らの背景や執念が描かれれば、よりバトルの熱量が増したのかな、と思います。

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