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MFゴースト の感想と評価(良いところ、悪いところ)
MFゴースト
著者: しげの秀一
連載: 週刊ヤングマガジン
レース/スポーツ/青年漫画/群像劇評価: 9/10
あらすじ
時は西暦202X年。自動運転やEV/FCV車が主流となり、内燃機関車は希少となった日本において、“MFG(エムエフジー)”という公道レース大会が盛況を博している。イギリスの名門レーシングスクールを首席で卒業し、幼い頃からレース経験を重ねてきた片桐夏向(カナタ・リヴィントン)は、行方不明の父の手がかりを追いながら、自らの存在を父に知らせるため、内燃機関車であるトヨタ86を駆ってMFGに挑む。スピードやパワーだけでなく、テクニック、レギュレーションの読み合い、コース攻略、ライバルとの駆け引きなど、「ただ速いだけでは勝てない」レースの駆動が見どころとなっている。登場人物も主人公だけでなく多くのライバル、過去作「頭文字D」のキャラクターも絡みつつ、恋愛要素や群像劇的要素も含まれる。
良い所
- レース描写が非常に迫力があり、公道でのコースの描写やマシンの描き込みが細かくて、走っている場面に引き込まれる。
- 主人公カナタの86でスーパーカーたちと互角以上に戦う戦術やテクニックが熱く、『頭文字D』好きとしても満足できる続編的な魅力がある。
- 群像劇として各ライバルたちにもきちんとスポットを当てる構成で、主人公以外の思惑や葛藤も描かれておりストーリーに厚みがある。
- 時代設定が近未来で、自動運転やEV化が進んだ社会との対比がされており、レース漫画としてだけでなく世界観が興味深い。
- 恋愛要素やキャラクター間の人間関係、エンジェルスの存在など、レーシングだけでなくキャラクターの魅せ方に工夫があって、読みごたえがある。
悪い所
- 作画(人物描写)に好みが分かれる場面があり、キャラクターを見分けにくいという声がある。
- レース描写が多くなる反面、展開が冗長に感じる章もあり、話のスピード感を落とす部分がある。
- 恋愛要素やエンジェルス関連の描写が、レース漫画としての主軸から逸れてると感じる読者がいる。
- 設定の細部、特にMFGのレギュレーションや背景の説明がやや複雑で、初心者には理解しにくい部分がある。
- 主人公が非力な86で戦うという構図が繰り返しで、ある程度ネタが読めてしまうとマンネリを感じることがある。