レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
東京カンナビス特区 大麻王と呼ばれた男 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
東京カンナビス特区 大麻王と呼ばれた男
著者: 稲井雄人
連載: コミックゼノン
評価: 8.7/10
あらすじ
経営難で崖っぷちに立たされた34歳の生花店店主・千花森生。愛する家族と店を守るため、彼は高校時代の旧友から持ちかけられた、違法大麻の栽培という最悪の禁忌に手を染めてしまう!生花店として培った高度な植物栽培の知識と技術を駆使し、超高純度の大麻を密造・密売していく森生。だが、その並外れた『才能』が、冷酷な半グレや暴力団、退廃的なドラッグ組織、そして警察の捜査網を引き寄せ、引き返せない危険な裏社会の抗争へと彼を突き落としていく。和製ブレイキング・バッドと大絶賛を浴び、2026年2月には最新第9巻が発売された、一人の凡人が狂気の大麻王へと堕ちていく緊迫のクライムサスペンスの傑作!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 善良な市民が家族を守るために徐々に犯罪の深みにはまっていくリアルな心理の変化を描いたクライムドラマが好きな人
- 裏社会の流通ルートや組織の仕組みが詳細に描かれる、緊迫感のあるサスペンスの読み応えを求めている人
- 後戻りできない泥沼に足を踏み入れた主人公が、それでも止まれない様を息を呑みながら追いたい人
向いていない人
- 大麻栽培や裏社会の暴力・薬物中毒者の生々しい描写など、アンモラルで重いテーマが苦手な人
- 犯罪に手を染める主人公の行動原理に共感できず、感情移入の糸口が掴めない人
- 明るい要素や救いのある展開が少なく読後感が重い作品は、エンタメとして楽しみにくい人
良い感想・レビュー
- 俺、冴えない34歳の花屋の主人が、生花の知識(温度や栄養管理など)を応用して最高純度の大麻を密造するプロセスにサスペンス的な興奮を覚えた。科学的な裏付けが丁寧で、抜群の面白さに痺れる。
- ただの犯罪行為じゃない。「愛する家族と店を守るため」という森生の必死な動機から始まり、徐々に裏社会の狂気に侵食される心理描写が本当に秀逸。人間が少しずつ悪に染まる恐怖がリアルで惹き込まれる。
- 稲井雄人先生の荒々しくも冷酷な裏社会を表現する、線の太い凄みのある劇画タッチの画力が素晴らしい。半グレの暴行や監禁シーンの生々しい描写など、一コマ一コマの緊張感が本当に心臓に悪い(褒め言葉)。
- 旧友の加賀里や、二人の前に立ちはだかる冷酷無比な半グレの幹部たちとの命懸けの騙し合いが最高にスリリング。誰を信じていいか分からない泥沼の状況下で、サスペンスのキレが素晴らしい。
- 最新9巻の、国内の違法ドラッグ市場を牛耳る新興勢力との全面戦争に突入していく展開に大興奮!森生の大人しい見た目の裏に宿る、冷徹で狂気的な『大麻王としての覚悟』の表情の変化が本当にゾクゾクする。
悪い感想・レビュー
- 大麻の栽培方法や密売ルートの構築など、犯罪行為のディテールがあまりに生々しくリアルに描かれすぎている点に、読んでいて少し抵抗感があった。社会的なテーマとして、ちょっと不謹慎すぎると感じる。
- 暴力団や半グレたちの過激なリンチや拷問、凄惨な殺害といった凄まじいバイオレンス描写が、私にはかなりグロテスクできつかった。サスペンスとして質は高いが、グロが苦手な人にはおすすめできない。
- 普通の優しいお父さんだった森生が、「一度薬を作っただけで、ヤクザを騙すほどの冷徹な悪党」に急変する過程が、僕には少し不自然に感じた。もう少し、凡人としての良心の呵責や、戸惑いを見たかった。
- 中盤の「ヤクザの派閥争いや、警察の捜査状況の説明台詞」がかなり多くて理屈っぽい。もっと初期の、アパートの隠し部屋でハラハラしながら大麻を育てていた頃の、静かな栽培サスペンスが読みたかった。
- 2026年現在の最新9巻でも、未だに解決のゴール(ハッピーエンド)が見えない泥沼の状況が続いており、閉塞感が強い。いつ家族の元に戻れるのか、読んでいて精神的にかなり消耗してしまうのが難点。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
俺、冴えない34歳の花屋の主人が、生花の知識(温度や栄養管理など)を応用して最高純度の大麻を密造するプロセスにサスペンス的な興奮を覚えた。科学的な裏付けが丁寧で、抜群の面白さに痺れる。
大麻の栽培方法や密売ルートの構築など、犯罪行為のディテールがあまりに生々しくリアルに描かれすぎている点に、読んでいて少し抵抗感があった。社会的なテーマとして、ちょっと不謹慎すぎると感じる。
ただの犯罪行為じゃない。「愛する家族と店を守るため」という森生の必死な動機から始まり、徐々に裏社会の狂気に侵食される心理描写が本当に秀逸。人間が少しずつ悪に染まる恐怖がリアルで惹き込まれる。
暴力団や半グレたちの過激なリンチや拷問、凄惨な殺害といった凄まじいバイオレンス描写が、私にはかなりグロテスクできつかった。サスペンスとして質は高いが、グロが苦手な人にはおすすめできない。
稲井雄人先生の荒々しくも冷酷な裏社会を表現する、線の太い凄みのある劇画タッチの画力が素晴らしい。半グレの暴行や監禁シーンの生々しい描写など、一コマ一コマの緊張感が本当に心臓に悪い(褒め言葉)。
普通の優しいお父さんだった森生が、「一度薬を作っただけで、ヤクザを騙すほどの冷徹な悪党」に急変する過程が、僕には少し不自然に感じた。もう少し、凡人としての良心の呵責や、戸惑いを見たかった。
旧友の加賀里や、二人の前に立ちはだかる冷酷無比な半グレの幹部たちとの命懸けの騙し合いが最高にスリリング。誰を信じていいか分からない泥沼の状況下で、サスペンスのキレが素晴らしい。
中盤の「ヤクザの派閥争いや、警察の捜査状況の説明台詞」がかなり多くて理屈っぽい。もっと初期の、アパートの隠し部屋でハラハラしながら大麻を育てていた頃の、静かな栽培サスペンスが読みたかった。
最新9巻の、国内の違法ドラッグ市場を牛耳る新興勢力との全面戦争に突入していく展開に大興奮!森生の大人しい見た目の裏に宿る、冷徹で狂気的な『大麻王としての覚悟』の表情の変化が本当にゾクゾクする。
2026年現在の最新9巻でも、未だに解決のゴール(ハッピーエンド)が見えない泥沼の状況が続いており、閉塞感が強い。いつ家族の元に戻れるのか、読んでいて精神的にかなり消耗してしまうのが難点。



