レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
マタギガンナー の感想と評価(良いところ、悪いところ)
マタギガンナー
著者: Juan Albarran/藤本正二
連載: モーニング
評価: 8.4/10
あらすじ
かつて山で獲物を追った伝説の元マタギ・山野仁。孤独に暮らす彼が偶然手にしたのは、最新のFPS(バトルロイヤル)ゲームだった!現実の銃をゲームのコントローラーに持ち替え、老いた狙撃手がデジタルの戦場を震撼させる。藤本正二×Juan Albarranが放つ、異色のeスポーツ・アクション!
良い所
- 「山で獲物を待つ忍耐力」や「地形を読む力」といったマタギの知恵が、ゲームの戦術として鮮やかに通用していく様に、これまでにない知的興奮を覚えました!異色の掛け合わせが、最高にクールな化学反応を起こしています。
- 主人公の仁さんが、最新の文化に戸惑いながらも、自身の人生経験を武器に挑んでいく姿には、世代を超えた格好良さを感じて痺れました。孤独な老人が、ゲームを通じて若者と繋がっていく過程には、深い感動があります。
- Juan先生の描く、日本の田舎の静謐な風景と、派手なゲーム画面のコントラストが本当に美しい。作画のクオリティが高く、特に銃器の質感や山野の表情の描き込みには、実写映画のような重厚さを感じました。
- eスポーツを知らなくても、「プロの技術が別の分野で無双する」というカタルシスが分かりやすく描かれているので、誰でも楽しめるエンタメになっています。戦いの緊張感の作り方が、とにかく上手いです。
- 全11巻、一人の男の「再挑戦」の物語として完璧にまとまった結末に、読み終えた後は静かな満足感に包まれました。新しいことに挑戦する勇気をもらえる、大人のための、そして全世代のための傑作漫画です!
悪い所
- 「マタギの技術がゲームにそこまで通用するか?」というリアリティの面で、FPSに詳しい人ほど、一部の演出にご都合主義的な「嘘」を感じて冷めてしまう場面があるかもしれません。あくまでフィクションとしての楽しみ。
- 物語の最終盤、結末に向けての展開が少し駆け足に感じられ、もっとじっくりと世界大会やライバルたちとの戦いを見ていたかった、という物足りなさが残りました。もっと長く連載が続いてほしかった、というのが本音です。
- 登場するライバルたちのキャラクター造形が、主人公の仁さんに比べると少し薄味というか、記号的に見えてしまうことがありました。もっと敵側にも、彼を追い詰めるような圧倒的な個性があれば、より熱くなったはず。
- FPS特有の専門用語や戦況の説明が、慣れていない読者には一瞬で理解するのが難しい回がありました。非常に丁寧に解説はされているのですが、動きの速いシーンでは、何が起きたのか把握するのに少し集中力が必要です。
- 全体的にトーンが硬派で落ち着いているため、少年漫画のような派手な特殊能力やド派手な盛り上がりを求めている人には、少し地味に映る可能性があるかもしれません。渋い「オヤジの背中」を愛でるための作品です。





