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こういうのがいい の感想と評価(良いところ、悪いところ)
こういうのがいい
著者: 双龍
連載: ヤンジャン!/となりのヤングジャンプ
評価: 9/10
あらすじ
恋愛に疲れた会社員・村田元気と、奔放で等身大な女性・江口友香は、オンラインゲームのオフ会で出会い、恋人でもセフレでもない“フリーダムフレンド(フリフレ)”という曖昧で心地よい距離を選ぶ。束縛せず、会いたい時だけ会う二人は、日常の軽口やささやかな事件を通じて、お互いの価値観や弱さに触れていく。自由と嫉妬、理想と現実の狭間で揺れながら、関係の“更新”を模索する大人の日常ストーリー。
良い所
- “付き合わない”関係の描き方が容赦なくリアルで、会話の間と皮肉がやみつきになった。
- 軽妙なスラング混じりの掛け合いが絶品。テンポの良さで1話ごとに自然とページが進む。
- エロを煽るだけに逃げず、価値観のズレや合意の更新を丁寧に描いていて信頼できる。
- モノローグが鋭く、感情の微細な揺れを過不足なく拾う。余白の使い方も巧い。
- “心地よい距離”の危うさを小さな出来事で浮かび上がらせる構成が上手く、読後に余韻が残る。
悪い所
- 男性目線の比重が強い回があり、描写が都合良く感じる場面がある。
- 性ネタの比率が高い章はパターン化が目立ち、物語の推進力が鈍る。
- 主要二人の掘り下げに対し、サブキャラの内面は浅く感じることがある。
- 大きな事件が少ないため、緩さが続く巻は冗長に映る時がある。
- 価値観の衝突が起きても収まりどころが“便利”に感じる場面があり、緊張が逃げる。




