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最終更新日:

ナニワ金融道 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

ナニワ金融道

著者: 青木雄二

連載: 週刊モーニング

ジャンル: ドラマ法律経済サスペンス

評価: 8.8/10

あらすじ

大学を中退後、職を転々としていたお人好しな青年・灰原達之。ひょんなことから大阪ミナミの消費者金融(街金)「帝国金融」に新入社員として採用される。そこで灰原を待っていたのは、グレーゾーン金利、連帯保証人の恐怖、自己破産、手形詐欺、税金の抜け穴など「金と法律」の生々しい裏の罠だった。わずかな借金から雪だるま式に膨らんで夜逃げへと追い詰められていく債務者たちの転落劇。青木雄二がコテコテの大阪弁と泥臭い画風で、法の抜け穴を使った債権回収と金に狂わされる人間の本性を描き切った。読むと金融知識が身につく、怖いほどリアルな金融サスペンスだ!

良い所

  • 連帯保証人の恐ろしさや手形取引の闇、税金のからくりなど、学校では教えてくれない金と法律の裏知識が凄く勉強になった。お金で騙されないための社会防衛の教科書として、実際かなり使える内容だった。
  • 金に目がくらみ、嘘や裏切りを重ねて転落していく債務者たちの生々しすぎる心理描写が本当にリアルだ。人間の弱さと醜さを容赦なく暴き出すお話の展開に、毎度ゾクゾクするような説得力を感じた。
  • 青木雄二先生の描く、非常に癖が強くてコテコテな大阪の泥臭さが溢れる独特な画風が大好きだ。狡猾な悪党たちの表情や、パースが歪んだ下町の背景描写が、お金に貪欲な街の不気味な熱気をよく伝えてくる。
  • お人好しだった灰原が、帝国金融の非情な現実や桑原たち先輩に揉まれるなかで、一流の金融屋として成長していくドラマが面白い。非情になりきれず、債務者にギリギリの温情を残そうと知恵を絞る姿が熱い。
  • とにかく1話完結をベースにした回収劇のテンポが良く、ハラハラする法的な回収サスペンスとして最高に面白い。法的な抜け穴や策略を駆使した債権回収の知略バトルに、一度読み出すと最後まで一気に読めた。

悪い所

  • 1990年代前半の連載なため、グレーゾーン金利や手形取引の多用など、法律や金融システムが現代とは大きく異なる。現在では法改正で禁止されている過酷な取立方法も多く、今の防衛策としては少し古い。
  • 借金した人々がどんどんハメられてすべてを失っていく、救いのない陰惨な転落劇の連続に読んでいてかなり気が滅入ってしまった。人間の醜い悪意や生々しい悲哀が多いため、精神的に少し胃もたれする。
  • 太い線で歪んだパースの、非常にデフォルメされた濃厚な劇画調の絵柄が馴染めなかった。クリアで現代的な美しいデジタルイラストに見慣れている私にとっては、人物の顔が汚く見えて少し生理的に苦手だ。
  • 「保証人等で騙される→帝国金融が法律の裏をかいて容赦なく取り立てる→債務者が破滅する」という構造が固定なので、中盤以降は展開がかなりワンパターンに感じた。何巻も一気読みするとさすがに飽きやすい。
  • 主人公が少しお節介すぎるせいでトラブルを拡大させているように見え、灰原の余計な行動にイライラした。プロの街金として割り切る桑原たちの冷徹さに比べ、彼のウジウジした姿勢がたまにノイズに感じた。

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