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最終更新日:

クロサギ の感想と評価(良いところ、悪いところ)

クロサギ

著者: 夏原武黒丸

連載: 週刊ヤングサンデー/ビッグコミックスピリッツ

ジャンル: ドラマ法律経済サスペンス

評価: 8.5/10

あらすじ

父親が計画詐欺に遭い、無理心中の果てに家族をすべて失い、自らも死の淵から生き延びた少年・黒崎高志郎。彼は家族を破滅させた大物詐欺師・御木本への復讐を誓い、白サギ・赤サギといった詐欺師たちを徹底的に騙し返して被害者に金を返す「黒サギ」へと変貌を遂げる。詐欺業界のフィクサーにして宿命の敵・桂木との歪んだ主従関係が物語の軸になっている。夏原武の丁寧な実在詐欺取材に基づくリアリティと、黒丸の描く知略サスペンスが見どころ。ヒロインの氷柱や神志名刑事との正義を巡るヒリヒリした葛藤も面白く、読み始めたら止まらない詐欺バトル漫画だ!

良い所

  • 実在する巧妙な詐欺の手口や裏社会のスキームが、徹底した取材に基づきリアルに暴かれるのが最高に面白い。甘い言葉の罠から財産を守るための社会防衛の教科書として、本当に勉強になった。
  • 人を騙す詐欺師を、さらに高度な知略と変装、法律の抜け穴を駆使して完膚なきまでに騙し返すカタルシスがたまらない。二重三重に仕掛けられた騙し合いのサスペンスに、一度読みだすと最後まで一気に読めた。
  • 家族を失った黒崎が、仇である御木本の情報を詐欺界のボスである桂木から買って復讐を狙う歪んだ関係に痺れた。いつか殺し合う宿命を背負いながら互いを利用する二人の、ヒリヒリした緊張感がたまらない。
  • 法で裁こうとするヒロインの氷柱や、黒崎を執拗に追う優秀な神志名刑事との異なる正義の対立が本当に熱い。綺麗事だけではない、それぞれの引けない信念がぶつかり合う重厚な人間ドラマに毎度胸が熱くなる。
  • とにかく1話ごとの事件解決のテンポが素晴らしく、知略サスペンスとしての完成度が抜群に高い。現実の時事問題をテーマにした巧妙な詐欺バトルに、ページを止めるのがとにかくつらかった。

悪い所

  • 複雑な金融取引やダミー会社の仕組みを説明するため、全体的に解説テキストが多くて難解に感じられた。サクサクと直感的なアクションを期待する人にとっては、説明だらけでテンポが遅くて読むのに疲れる。
  • 被害者が騙され、黒崎が情報を買って騙し返して大金を回収するという基本の展開がお決まりのワンパターンで飽きる。何十冊もまとめて一気読みすると、さすがに同じパターンの繰り返しに感じてしまう。
  • 法律での解決を頑なに主張して黒崎を犯罪者呼ばわりする、ヒロイン氷柱の綺麗事ばかりな正義感にイライラした。復讐に命を懸ける黒崎の足を引っ張るお邪魔キャラに見えてしまい、私には少々合わなかった。
  • 黒丸先生の連載初期の作画について、一部のコマやキャラクターのデッサンや線の粗さが気になってしまった。巻数を重ねるごとに見違えるほど上達していくが、最初のうちは少し古臭い絵柄に馴染みにくかった。
  • 詐欺で騙された大金を取り返した後に、毎回必ず黒崎が多額の手数料を取る容赦のないビジネスライクな現実に少しもやもやした。ハッピーエンドを期待する私には、少々冷徹すぎるシステムに冷めてしまう。

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