レビュー著者: 漫画よしあし
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ダーウィン事変 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

ダーウィン事変

ダーウィン事変

著者: うめざわしゅん

連載: 月刊アフタヌーン

ジャンル: ヒューマンドラマ青年マンガSFサスペンス

評価: 8.8/10

あらすじ

テロ組織「ALA」が生物科学研究所を襲撃した際、保護された妊娠中のチンパンジーから生まれた「ヒューマンジー」のチャーリー。半分ヒトで半分チンパンジーの彼は、人間の両親に育てられ高校に入学する。そこで、頭脳明晰だが陰キャと呼ばれる少女・ルーシーと出会い、平穏な学生生活を送るはずだった。しかし、動物解放を掲げテロ活動を行うALAが、彼を仲間に引き入れようと過激な手段で迫りくる。テロリズム、差別、動物の権利など現代社会が抱える複雑な問題に、「ヒト以外」のチャーリーが独自の視点で切り込み対峙していく。人間と動物の境界線や社会の歪みを浮き彫りにする、知的でスリリングなヒューマン&サスペンスドラマ!

本音のガチ長文レビュー(ネタバレ有)

10巻まで読んでの感想です。(投稿時の最新刊) 現実感を盛り込んだファンタジー漫画。 序盤から新感覚な設定で面白いんだけど、 5巻ぐらいまではプロローグと言っていい。 最初のほうは、設定理解を促すためのなのか、 倫理観を問うような描写や展開が多くて、 このあたりが最初に話題になったきっかけだと思うが、 誕生の秘密に迫りだしたあたりから、 現実の倫理観がどうとかもはや関係ない話になってくる。 そのあたりから、ファンタジー感とかフィクション感のあるストーリー展開になるんだけど、 個人的にはそのあたりからも面白い。 ずっと倫理観をテーマにされても面白味には欠けますからね。。 ただ、そこからは普通の青年漫画の展開になるので、斬新さはどうしても薄い。 それでも導入だけが面白い出オチ漫画ではないことは確かなので、 展開が変わってきても受け入れながら読んでほしい。 兄弟が出てくるあたりで、強敵みたいな設定が入ってくるので、 そのあたりは少年漫画に近くて好き。 主人公が修行して強くなるとかは無いけど。 人間に対して無敵すぎでは?と思うことはある。 兄弟間の関係とか、出生の流れは正直ちょっとわかりにくい。 わかりにくいというか、さらっと一度しかその話出てこないというのが多くて、これなんでだっけ?となる。 色々説明はあるんだけど、そんなことより危機的状況・急いでいる状態をどうやって打破するのかが気になってしまうせいかも。 連載で読むだけなら、絶対に覚えられない自信があるので、単行本で読んでいてよかった。 とにかく場所が転々とするので、今どこにいるのかもわからなくなりやすい。 妊娠する流れは唐突だと感じるところだった。 ほとんどそんな関係の心理描写なかったのに、えっどういう流れなの?となった。 ストーリー上重要な展開なのはわかるし、そういう漫画じゃないから、恋愛要素とか無くてよいのだが、 もうちょっと欲しかったというのが正直なところ。 大学とか本当序盤だけだったけど、 たまには昔の場所にも戻って閑話休題してほしい。 ずっとシリアスが続くので、これだけを長く読むのは疲れる。 序盤は先が気になって早く読みたくなるんだけど、 序盤以降は、 「この後どうなるの!早く続き読みたい!」とは不思議とならなかった。 でもなんだかんだで続きを読むと「なるほどこうなっていくのか」と感心しながら読める。 これは核心中の核心には中々たどり着かず、 たどり着くには多くの説明を通過する必要があるんだろうなぁと思ってしまっているからだろうか。 青年漫画なので読む人を選ぶ感はあるが、 ちょっと小難しい話も取り入れたタイプの漫画が好きな人はぜひ読んでみてほしい。

良い所

  • 半分人間で半分チンパンジーという斬新な設定に惹かれて読み始めました。チャーリーの達観した考え方や真っ直ぐな言葉が、人間社会の矛盾を突いていてハッとさせられます。一気に引き込まれました!
  • 動物愛護やテロリズム、差別といった重い社会問題をテーマにしているのに、アクション要素もあってエンタメとしてめちゃくちゃ面白いです。チャーリーの身体能力の高さを活かしたバトルシーンが最高です!
  • 人間とそれ以外の境界線について深く考えさせられる漫画です。ルーシーとチャーリーの種族を超えた絆や友情が丁寧に描かれていて、過酷な展開の中でも二人のやりとりにすごく癒やされました。
  • ヴィーガンや動物の権利に対する議論のシーンが非常にリアルで、現代のトレンドをうまく物語に落とし込んでいます。ただのフィクションとは思えない説得力があり、ページをめくる手が止まりません。
  • 「人間だけで生きていたら葛藤は生まれない」というメッセージが心に刺さりました。ALAのテロリストたちの狂気と、それに巻き込まれていく主人公たちのサスペンスフルな展開に毎回ドキドキします。

悪い所

  • テロ組織の思想や動物愛護団体の過激な行動など、社会的なテーマが重すぎて、気軽に漫画を楽しみたい時には少し読むのがしんどいです。説教くさく感じてしまう部分があり、私には合わなかったです。
  • チャーリーの考え方が達観しすぎていて、少し人間味がなく感情移入しづらい時があります。彼の超人的な身体能力でゴリ押ししてしまう展開もあり、サスペンスとしての緊張感が薄れる瞬間がありました。
  • 人間側のエゴや醜い部分がこれでもかと描かれるので、読んでいて人間であることが嫌になってくるような胸糞悪さがあります。救いのない残酷な描写も多く、精神的に疲れてしまう作品でした。
  • キャラクターたちの思想の対立がメインになるため、理屈っぽい会話や説明ゼリフが多くて読むのに少し体力が要ります。もっとテンポ良くストーリーが進んでほしいと感じてしまいました。
  • テロリストのALAが引き起こす事件があまりにも過激で、人があっさりと殺されていく描写に引いてしまいます。フィクションとはいえ、現代のリアルな社会問題と絡められている分、少し生々しくて怖いです。

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