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ダーウィン事変 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

ダーウィン事変

ダーウィン事変

著者: うめざわしゅん

連載: 月刊アフタヌーン

ジャンル: ヒューマンドラマ社会派SFサスペンス

評価: 9.2/10

あらすじ

テロ組織により生み出された人間とチンパンジーの交雑種“ヒューマンジー”の少年チャーリーは、人間社会で普通の高校生活を送ろうとするが、動物解放過激派や人類側の差別と暴力に巻き込まれ、人間とは何かを突きつけられていく。

本音のガチ長文レビュー(ネタバレ有)

10巻まで読んでの感想です。(投稿時の最新刊) 現実感を盛り込んだファンタジー漫画。 序盤から新感覚な設定で面白いんだけど、 5巻ぐらいまではプロローグと言っていい。 最初のほうは、設定理解を促すためのなのか、 倫理観を問うような描写や展開が多くて、 このあたりが最初に話題になったきっかけだと思うが、 誕生の秘密に迫りだしたあたりから、 現実の倫理観がどうとかもはや関係ない話になってくる。 そのあたりから、ファンタジー感とかフィクション感のあるストーリー展開になるんだけど、 個人的にはそのあたりからも面白い。 ずっと倫理観をテーマにされても面白味には欠けますからね。。 ただ、そこからは普通の青年漫画の展開になるので、斬新さはどうしても薄い。 それでも導入だけが面白い出オチ漫画ではないことは確かなので、 展開が変わってきても受け入れながら読んでほしい。 兄弟が出てくるあたりで、強敵みたいな設定が入ってくるので、 そのあたりは少年漫画に近くて好き。 主人公が修行して強くなるとかは無いけど。 人間に対して無敵すぎでは?と思うことはある。 兄弟間の関係とか、出生の流れは正直ちょっとわかりにくい。 わかりにくいというか、さらっと一度しかその話出てこないというのが多くて、これなんでだっけ?となる。 色々説明はあるんだけど、そんなことより危機的状況・急いでいる状態をどうやって打破するのかが気になってしまうせいかも。 連載で読むだけなら、絶対に覚えられない自信があるので、単行本で読んでいてよかった。 とにかく場所が転々とするので、今どこにいるのかもわからなくなりやすい。 妊娠する流れは唐突だと感じるところだった。 ほとんどそんな関係の心理描写なかったのに、えっどういう流れなの?となった。 ストーリー上重要な展開なのはわかるし、そういう漫画じゃないから、恋愛要素とか無くてよいのだが、 もうちょっと欲しかったというのが正直なところ。 大学とか本当序盤だけだったけど、 たまには昔の場所にも戻って閑話休題してほしい。 ずっとシリアスが続くので、これだけを長く読むのは疲れる。 序盤は先が気になって早く読みたくなるんだけど、 序盤以降は、 「この後どうなるの!早く続き読みたい!」とは不思議とならなかった。 でもなんだかんだで続きを読むと「なるほどこうなっていくのか」と感心しながら読める。 これは核心中の核心には中々たどり着かず、 たどり着くには多くの説明を通過する必要があるんだろうなぁと思ってしまっているからだろうか。 青年漫画なので読む人を選ぶ感はあるが、 ちょっと小難しい話も取り入れたタイプの漫画が好きな人はぜひ読んでみてほしい。

良い所

  • テーマが非常に重く、動物倫理や差別問題を真正面から描いていて、読後に強烈な余韻が残った。
  • チャーリーの純粋さと残酷な現実の対比が胸に刺さり、ページをめくる手が止まらなかった。
  • アクションと心理描写のバランスが良く、社会派漫画としてもエンタメとしても完成度が高い。
  • 作画の迫力が凄まじく、暴力描写や表情の描き方が物語の緊張感を何倍にも高めていた。
  • 単なるSF設定に終わらず、現代社会への鋭い問いかけが随所にあり、何度も読み返したくなる作品だった。

悪い所

  • 題材がかなり重く、暴力的な描写も多いため、気軽に楽しめる漫画ではないと感じた。
  • 話が進むにつれて救いのない展開が続き、精神的に疲れてしまった。
  • 思想的なメッセージが強く、説教臭く感じる場面があり好みが分かれると思った。
  • 登場人物の行動が極端で、感情移入しにくいキャラクターもいた。
  • 展開がシリアス一辺倒で、息抜きになる場面が少なく読後感が重かった。

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