レビュー著者: 漫画よしあし
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日本沈没 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
日本沈没
完結連載: ビッグコミックスピリッツ
ジャンル: 青年漫画/ヒューマンドラマ/サバイバル/パニック/SF
評価: 4.1/10
あらすじ
11月の東京・新宿。深海潜水艇の操縦士・小野寺俊夫は、立ち寄った飲み屋で雑居ビルが地面に飲み込まれる異様な光景に出くわす。居合わせた消防隊員の女性に助けられて逃げ延びたものの、それは日本中を巻き込む大災害のほんの入り口でしかなかった。異端の地球物理学者は各地の地殻変動から、この列島が一年以内に海へ沈むと結論づける。政府は極秘の対策組織を立ち上げ、小野寺もパイロットとして加わっていく。火山の噴火、都市を焼き尽くす大震災、津波。国そのものが失われようとするなかで、人は誰を助け、何を捨てるのか。原作の問いを現代へ移し替え、災害のおそろしさと人の弱さも強さも描き切ったコミカライズ!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 地震や津波で街が壊れていく様子を、逃げる側の目線から細部まで描いた作品を読みたい人
- 国そのものが失われるとはどういうことかを、登場人物たちの選択と一緒に考えてみたい人
- 極限まで追い詰められた人の身勝手さも強さも描く、重たい群像ドラマを読み応えとして味わえる人
向いていない人
- 荒々しい線で描かれた混乱の場面を読み解くのに手間取ると、気持ちが途切れてしまう人
- 災害ものに休みなく進むサバイバルを期待していて、主人公が立ち止まる時間が長いと感じる人
- 原作小説の手触りを大事にしていて、オリジナルの恋愛や人間関係のもつれが増えるのが苦手な人
良い感想・レビュー
- 試し読みのつもりで開いたのに、そのまま最終巻まで買い揃えてしまいました。立場も善悪も関係なく命を奪っていく災害の理不尽さが容赦なく描かれ、読み終えた今も背中が冷たいままです。
- 東京で大震災が起きる場面の描き込みが、こわくてたまりませんでした。避難した先で起きる火災旋風のおそろしさを、私は初めて絵で理解しました。防災の本を読むよりも頭に残っています。
- 口下手な潜水艇のパイロットと、かつて彼に助けられた消防隊員。ふたりの因縁が少しずつ繋がっていく流れが熱くて好きです。家族がいるから頑張れるという言葉が、私には一番刺さりました。
- 深海の潜水艇を操る主人公の、周りの水圧や地形が見えているような操縦描写に痺れました。理屈の作り込みが細かく、政府側の会議のやり取りまで読み応えがあるので、SF好きにはぜひ読んでほしい!
- 単なる災害漫画では終わらず、国を失うというのはどういうことかを突きつけてきます。原作小説も映像もたどった上で、私はこの漫画版が一番好きでした。読む前と後で防災の感覚が変わったように思います。
悪い感想・レビュー
- 絵の線が荒っぽくて、混乱した場面で誰が何をしているのか掴めないことが何度もありました。緊迫した状況ほど絵を追うのに手間取り、そこで気持ちが途切れてしまうのが残念です。
- 途中まではハラハラしながら読めたのに、主人公が記憶をなくしてからの停滞でつらくなりました。悩んでいるわりに行動はちゃっかりしていて、そこにも気持ちが冷めます。
- 終盤に差し込まれる夢のようなメタっぽい場面は、私には蛇足に感じました。災害ものは地に足のついた人間ドラマが軸だと思っているので、作者の狙いを掴めないまま読み終えました。
- 全体に暗い空気が続き、総理から市井の人まで誰もが病んでいく展開で気持ちが削られます。明るい話を挟む余裕がなく、気軽に手に取れる一作ではありません。
- 原作の政治や科学の手触りを期待して読むと、オリジナルの人間関係のドロドロの比重に戸惑うかもしれません。後半で出てくる技術も飛躍が大きく、私は乗り切れませんでした。









