レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
20世紀少年 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 少年時代の「秘密基地」や「予言」が、大人になってから現実の恐怖として立ち上がる構成に、震えるほどの興奮を覚えました!浦沢先生の十八番である、過去と現在を行き来しながら謎を深める展開は、正に芸術品です。
- 「ともだち」の正体を巡る、全読者を巻き込んだ壮大なミステリーに、毎話心臓がバクバクしっぱなしでした!誰が裏切り者で、誰が「ともだち」なのか。伏線がパズルのように組み合わさる快感が凄まじいです。
- ケンヂ、オッチョ、カンナといった魅力的なキャラクターたちの、不器用ながらも世界を救おうとする熱い戦いに何度も涙しました。特に「正義の味方」になりきれない大人たちが、勇気を振り絞る姿には深い共感を覚えます。
- 万博、ロック、駄菓子屋など、昭和の懐かしいディテールが見事に物語と融合していて、ノスタルジーと恐怖が入り混じる独特の空気感を楽しめました。世代を超えて語り継がれるべき、圧倒的なスケールの名作です。
- 浦沢直樹先生の、一コマ一コマが映画のワンシーンのような卓越した画力に圧倒されます。キャラクターの表情だけで物語を語る演出力は、日本の漫画界においても最高峰。全巻を通した物語の密度にただただ脱帽です。
悪い所
- 広げに広げた大風呂敷が、最後の方で少し畳みきれなかった感があり、結末に肩透かしを食らったようなモヤモヤが残りました。謎の提示が完璧だっただけに、期待値が上がりすぎてしまったのがファンとしては辛いところです。
- 登場人物が非常に多く、時間軸もしょっちゅう入れ替わるため、一気に読み進めないと誰が何をやっていたか忘れてしまうことがありました。非常に集中力が必要な、読み手を選ぶ「難解な大作」という印象です。
- 中盤以降の物語の引き延ばし感が否めない時期があり、早く「ともだち」の正体を知りたいのになかなか進まない展開に、少しイライラしてしまったことがありました。もう少しコンパクトにまとめられた気がします。
- 一部の伏線回収が、かなり強引だったり説明不足に感じたりする場面がありました。特に「ともだち」の動機や背景について、もっと深い納得感が欲しかったなというのが、長年追いかけてきた身としての正直な感想です。
- 非常に長大な物語なので、最後までテンションを維持して読み切るのが大変でした。面白いのは確かなのですが、あまりに多くの悲劇や謎が続くため、精神的な疲労感が大きく、二周目を読むにはかなりの覚悟が必要です。




