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レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

多重人格探偵サイコ の感想と評価(良いところ、悪いところ)

多重人格探偵サイコ

多重人格探偵サイコ

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著者: 大塚英志田島昭宇

連載: ヤングアニマル

ジャンル: ミステリーホラーサスペンス

評価: 8.7/10

あらすじ

元刑事の雨宮一彦。彼の身体には、いくつもの人格が共存していた。宅配便で届く切断された恋人、網膜に焼き付く猟奇殺人……大塚英志×田島昭宇が贈る、衝撃のショッキング・サスペンス。耽美で緻密な作画で描かれる、トラウマ級のビジュアルと、精神世界、テロ、巨大な陰謀が絡み合う迷宮の物語。日本漫画史に残る問題作にして、圧倒的な美学を貫いた猟奇犯罪の金字塔。

良い所

  • 田島昭宇先生による「耽美でスタイリッシュ、かつ極めて緻密な画力」に心底圧倒されました!キャラクターの美しさが、逆にグロテスクな描写を際立たせ、唯一無二の「不気味な美学」を画面全体から放っています。
  • 第1話の「切断された恋人」をはじめ、網膜に焼き付く衝撃的なビジュアルの数々。当時の漫画界に激震を走らせた、突出した猟奇的描写とインパクトは、今読んでも全く色褪せない、トラウマ級の凄みがあります。
  • 大塚先生による、「多重人格、精神世界、巨大な陰謀が複雑に絡み合う難解なストーリー」に中毒的な魅力を感じます。単なるサスペンスに留まらず、人間の本質を問うような重厚な世界観に、深く没入させられました。
  • 「雨宮一彦という空っぽな容れ物」を巡る、人格たちの攻防が秀逸に描かれています。誰が主人格なのか、自分の正体は何なのか。出口のない迷宮を彷徨うような不安定な心理描写が、物語に独特の緊張感を与えています。
  • スタイリッシュなファッションや小物のデザインに至るまで、徹底した美意識が貫かれているのが素晴らしい。全編に漂う悪意と美しさが同居した空気感は、他のどの漫画にも真似できない、孤高の完成度を誇っています。

悪い所

  • 物語が進むにつれて設定が複雑化しすぎて、収拾がつかなくなった感が否めません。後半になるにつれ何が本筋なのか理解が追いつかなくなり、煙に巻かれたような終わり方に、不完全燃焼を覚える読者も多いはず。
  • あまりに残忍で過激な猟奇描写が続くため、精神的に非常に疲弊します。人によっては生理的な不快感や、悪意のスパイラルに当たる恐れがあり、万人に勧められるエンタメとは言い難い、極めて「読む人を選ぶ」作品。
  • 初期の「猟奇殺人事件を解決するサスペンス」というスタイルが、物語が壮大になるにつれ霧散してしまったのが残念です。初期の推理ものとしての面白さを期待していると、後半の難解な展開に置いてけぼりに。
  • 登場人物が増え続け、人格の入れ替わりも激しいため、キャラクターへの愛着を持ちにくい時期がありました。物語を動かすための駒のように見えることもあり、感情移入よりも「現象の観察」に近い読み味になりがち。
  • 20年にわたる連載ゆえに、作風やテーマに一貫性が欠けているように見える箇所がありました。初期の鋭利な毒気が、後半は哲学的な思索に埋もれてしまった感があり、完結まで追うにはかなりの忍耐力を要する怪作。

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