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僕が死ぬだけの百物語 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

僕が死ぬだけの百物語

僕が死ぬだけの百物語

著者: 的野アンジ

連載: 週刊少年サンデー/サンデーうぇぶり

ジャンル: ミステリー心理ホラーサスペンス

評価: 9/10

あらすじ

『僕が死ぬだけの百物語』は、怪談を一話語るごとに“何か”が確実に近づいてくる百物語形式のホラー漫画。語り手の少年が淡々と怪談を紡ぐ一方で、日常に潜む違和感や不可解な現象が徐々に積み重なり、読者に強烈な不安と疑念を植え付けていく。物語が進むほど語りの意味が反転し、百話目に向かって恐怖と真相が収束していく構成が特徴。

良い所

  • 派手な演出に頼らず、静かな違和感を積み重ねる恐怖表現が非常に効いていて背筋が冷えた。
  • 一話完結に見せかけて全体が緻密につながっており、読み返すほど伏線に気付けて震えた。
  • 少年の語り口が淡々としている分、異常事態とのギャップが際立ち、心理的に追い詰められる。
  • 百物語という形式を物語構造そのものに組み込んでおり、アイデア勝ちでは終わらない完成度がある。
  • ホラーが苦手でも読める静かな怖さで、終盤に向かうにつれて不安が加速していく構成が秀逸。

悪い所

  • 序盤は怪談の意味が分かりにくく、目的が見えないため掴みが弱く感じた。
  • 説明を極力省いた作風なので、考察を楽しめないと置いていかれる印象がある。
  • 派手な怖さを期待すると肩透かしで、地味に感じるエピソードもあった。
  • 全体の真相が見えてくるまで時間がかかり、途中で読むのをやめたくなる人もいそうだ。
  • 不快感を伴う描写や精神的に重いテーマがあり、人を選ぶ作品だと感じた。

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