レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
平成敗残兵すみれちゃん の感想と評価(良いところ、悪いところ)
平成敗残兵すみれちゃん
著者: 里見U
連載: 月刊ヤングマガジン
ジャンル: お色気/ヒューマンドラマ/日常/青年マンガ/コメディ
評価: 8.1/10
あらすじ
元・売れないアイドル、現・プータローの31歳、すみれちゃん。かつて夢見た華やかな芸能界での競争に敗れ、ボロアパートで自堕落な日々を過ごす彼女の前に、従兄弟で現役高校生のゆうせいが現れる。彼が持ちかけたのは、彼女の唯一の武器である「身体」を活かした同人グラビア写真集の制作・販売だった!平成の価値観を引きずったまま、令和のシビアなネット社会に放り出された「敗残兵」の、惨めで見苦しくて、けれど愛おしいリベンジの記録。里見Uが圧倒的なフェティシズムと冷徹な観察眼で描き出す、大人のための再起日常コメディがここに誕生!
良い所
- 元アイドルのプータローという「詰んでいる」設定のリアリティが凄まじいです!すみれちゃんの自堕落な姿に、同じ大人として痛いほどの共感を覚えて、気づけば彼女のことを全力で応援していました。最高の漫画です。
- 里見U先生の描くすみれちゃんの色気と肉体美に惚れ惚れします。表情一つとってもフェティシズムが溢れていて、ビジュアルだけでも大満足。残念な性格とのギャップがたまらなく愛おしい、最高のヒロインですね。
- 平成のノスタルジーと令和のドライな価値観の対比が秀逸で、自虐ネタのキレ味が抜群です!ゆうせいとの温度差のある掛け合いも面白くて、現代社会の世知辛さを笑いに変えてくれる、唯一無二の傑作だと確信しています。
- 再起を賭けた同人グラビア制作の展開にワクワクしました。惨めな姿を晒しながらも、必死に生きるために足掻くすみれちゃんの姿には、笑いの中にも不思議な熱量と感動があり、一気に最新刊まで読み耽ってしまいました。
- ページをめくるたびに、忘れかけていた情熱や哀愁を思い出して胸が熱くなりました。だらしない日常の切り取り方が絶妙で、読後感も不思議と爽やか。仕事で疲れた夜に読むと、明日も適当に頑張ろうと救われる名作です。
悪い所
- 主人公のすみれちゃんがあまりに自堕落で卑屈すぎて、読んでいてイライラしてしまいました。努力を怠った末の現状なのに、他力本願な態度が鼻についてしまい、私にはどうしても彼女に感情移入することができません。
- 同人グラビアがテーマなのでお色気描写や肌色の露出が多く、純粋な人間ドラマを期待していた私には、少しエロに寄りすぎているように感じました。公共の場で読むには勇気が要るため、かなり好みが分かれる作風です。
- ギャグ調ではありますが、人生の敗北を扱っているため、シニカルで重苦しい空気感が漂っています。心が弱っている時に読むと、自分の現状を否定されているようで辛くなり、素直に楽しめない場面が多々ありました。
- 従兄弟のゆうせいくんの言動が、高校生にしては冷徹すぎてリアリティに欠ける気がしました。あまりにビジネスライクな態度に少し引いてしまい、二人のやり取りに温かさを求めていた私には、少し残念な設定でした。
- 同じようなパターンの自虐ネタや失敗談の繰り返しに、途中で少しマンネリを感じてしまいました。物語としての大きな進展が遅く、すみれちゃんがずっと同じ場所で停滞している姿に、少し飽きが来てしまったのが本音。





