レビュー著者: 漫画よしあし
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窮地を逃れて の感想と評価(良いところ、悪いところ)

窮地を逃れて

窮地を逃れて

著者: はまなこあかり

連載: のぼりコミックス

ジャンル: ファンタジー冒険

評価: 7.8/10

あらすじ

故郷で1000万ゼニベを持ち逃げした少女・ニナが、翼人たちが支配する大国アルガへ逃げ込んだことから始まる異世界冒険ファンタジー。人間が差別されて当然とされる社会で、ニナは抜群の機転と持ち前の行動力を武器に、翼人の貴族・兵士・商人など様々な立場の人々と巡り合いながら逞しく生き延びていく。個性豊かな翼人たちと出会い衝突しながら変わっていくニナの姿が、読んでいて自然と応援したくなる。自由と本当の居場所を追い求めて異国の地を奔走するニナの物語は、翼人社会の身分差別や権力闘争を背景に、ユーモアと緊張感を行き来しながら描かれる骨太な異世界ファンタジー作品。

良い所

  • 逃亡中でも明るく前向きなニナの機転と持ち前の行動力が物語全体を力強く引っ張っており、ピンチのたびに自分の知恵で乗り越える展開が爽快感がある。
  • 翼人が支配する国の文化や社会制度の設定が非常に細かく作り込まれており、ページをめくるごとに異世界の独特な雰囲気にどっぷりと浸れる没入感の高さが魅力。
  • 旅の途中でニナが出会う個性豊かな仲間たちとの交流や別れが感情豊かに描かれており、キャラクター一人ひとりに自然と感情移入できる作りになっている。
  • 毎巻の終わりに続きが読みたくなる絶妙な引きのある構成が巧みで、テンポの良さと先の読めない展開が合わさって読み進める手がつい止まらなくなる作品。
  • 衣装や異世界の建築物、街並みまで細部にわたって丁寧に描き込まれた背景が非常に美しく、安定した作画クオリティが続いていて視覚的な満足感も高い。

悪い所

  • 序盤は翼人社会の仕組みや登場人物の背景に関する説明が少なく、世界観を把握して物語を楽しめるようになるまでに少し時間がかかってしまう作りになっている。
  • ニナが窮地に陥るたびに都合よく誰かに助けてもらう展開が繰り返され、せっかくの逃亡サバイバルならではの手に汗握る緊張感が薄れてしまいがちな点が惜しい。
  • 魅力的な外見をした脇役キャラクターが多く登場するものの、個々の掘り下げが浅く存在感を発揮する前にフェードアウトしてしまいがちな点が惜しいと感じる。
  • 展開のテンポが全体的に速い反面、感情的に重要なシーンがあっさりと処理されてしまい、もっとじっくり丁寧に描いてほしいと感じることが多い部分がある。
  • シリアスな場面と軽い会話のやり取りの切り替えがあまりにも急すぎることがあり、読んでいると感情の流れが途切れてしまって没入感が崩れることが度々ある。

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