レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
葬送のフリーレン の感想と評価(良いところ、悪いところ)
葬送のフリーレン
連載: 週刊少年サンデー
評価: 9.6/10
あらすじ
魔王を倒した勇者一行の後日譚を描く、まったく新しいファンタジーの金字塔。長命種であるエルフの魔法使いフリーレンは、かつての旅の仲間・勇者ヒンメルの死をきっかけに、自分が彼ら「人間」を何も知ろうとしなかったことを悔やみ、人を知るための新たな旅へと出かける。弟子のフェルン、戦士シュタルクと共に、かつて勇者たちと歩んだ軌跡を辿るなかで、静かに積み重なっていく人々の温かな記憶や想い。アベツカサの描く、瑞々しくも静謐な圧倒的作画美。休載中でありながらも最新15巻まで圧倒的な支持を受け続ける、魂を優しく揺さぶる傑作!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 長命の存在が人間の短い一生の尊さに気づいていく、静かで切ない旅路に浸りたい人
- 派手さより、淡く美しい作画と日常の愛おしさをじっくり味わいたい人
- 論理的に組まれた魔法設定と、頭脳戦としての戦いを楽しみたい人
向いていない人
- 迫力ある派手なバトルや、王道の冒険活劇を主に期待している人
- 感情を高ぶらせる展開を求め、淡々とした抑えた描写を物足りなく感じる人
- 会話や回想を挟むゆるやかな進行より、テンポの速い物語を好む人
良い感想・レビュー
- 俺、ヒンメルが亡くなった時にフリーレンが流した『もっと知っておけばよかった』という大粒の涙と後悔の描写に、一気に心を掴まれた。長寿のエルフが、人間の短い一生の尊さに気づいていく旅路が本当に切なくて美しい。
- バトルシーンが魔法の相性や知略, 一般攻撃魔法(ゾルトラーク)の歴史的な改良といった極めてロジカルな世界観の設定で描かれていて格好いい。ただの精神論やインフレに頼らない、静かな魔導戦のキレが最高に面白い。
- アベツカサ先生のトーンを抑えた淡く美しい線画と、キャラクターたちがふとした瞬間に見せる穏やかで優しい微笑みの表情が本当に素晴らしい。冬の旅路の冷たさと、お茶の温かさが紙面からそのまま伝わってくるようで眼福。
- 一級魔法使い選抜試験編での、実力者揃いの敵と味方が入り乱れる心理戦と、ぶつかり合う魔法哲学に震えた。ただの強さのインフレではなく、魔法の意志と知略で決着する演出のセンスが最高に格好いい。
- 何気ない「民間魔法」を集める旅。「かき氷を出す魔法」や「温かいお茶を入れる魔法」といった、バカバカしくも旅を豊かにする日常の愛おしさに救われる。壮大な魔王討伐の「後日譚」だからこそ描ける、最高の癒やし。
悪い感想・レビュー
- 原作の山田先生とアベ先生の体調を考慮した2025年10月からの長期休載のせいで、盛り上がってきたところで原作の続きが読めないのがじれったくて本当に寂しい。エルフ時間での再開を待つのはファンの試練。
- 帝国編に入ってから、帝都の政治的陰謀や「影の戦士」との人間同士の裏工作・複雑な戦いが増えて、物語が少し小難しくなった気がする。初期の、ただ各地をのんびり旅して魔族を狩る静かでゆるい冒険の方が好きだった。
- 戦闘や対話のシーンにおいて、キャラクターたちが常に淡々としたポーカーフェイスで感情の起伏が少ないため、読んでいて少し起伏が薄く冷めた印象を受ける時がある。もっと感情を爆発させる熱い熱量が欲しい僕には物足りない。
- 長編(マハト編や帝国編など)に入ると、一話ごとの会話劇や過去の回想が長く、ストーリーの進展が非常にスローペースになる。次の16巻が出るまで何ヶ月も(あるいは1年以上)待たされると思うと、少し中だるみを感じる。
- 「フリーレンが1000年以上生きている天才魔法使い」なので、どんなに強大な魔族や敵が現れても、最終的には彼女の規格外の魔力や仕込みで解決するご都合主義に見えてしまう瞬間がある。もう少しハラハラする死闘が見たかった。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
俺、ヒンメルが亡くなった時にフリーレンが流した『もっと知っておけばよかった』という大粒の涙と後悔の描写に、一気に心を掴まれた。長寿のエルフが、人間の短い一生の尊さに気づいていく旅路が本当に切なくて美しい。
原作の山田先生とアベ先生の体調を考慮した2025年10月からの長期休載のせいで、盛り上がってきたところで原作の続きが読めないのがじれったくて本当に寂しい。エルフ時間での再開を待つのはファンの試練。
バトルシーンが魔法の相性や知略, 一般攻撃魔法(ゾルトラーク)の歴史的な改良といった極めてロジカルな世界観の設定で描かれていて格好いい。ただの精神論やインフレに頼らない、静かな魔導戦のキレが最高に面白い。
帝国編に入ってから、帝都の政治的陰謀や「影の戦士」との人間同士の裏工作・複雑な戦いが増えて、物語が少し小難しくなった気がする。初期の、ただ各地をのんびり旅して魔族を狩る静かでゆるい冒険の方が好きだった。
アベツカサ先生のトーンを抑えた淡く美しい線画と、キャラクターたちがふとした瞬間に見せる穏やかで優しい微笑みの表情が本当に素晴らしい。冬の旅路の冷たさと、お茶の温かさが紙面からそのまま伝わってくるようで眼福。
戦闘や対話のシーンにおいて、キャラクターたちが常に淡々としたポーカーフェイスで感情の起伏が少ないため、読んでいて少し起伏が薄く冷めた印象を受ける時がある。もっと感情を爆発させる熱い熱量が欲しい僕には物足りない。
一級魔法使い選抜試験編での、実力者揃いの敵と味方が入り乱れる心理戦と、ぶつかり合う魔法哲学に震えた。ただの強さのインフレではなく、魔法の意志と知略で決着する演出のセンスが最高に格好いい。
長編(マハト編や帝国編など)に入ると、一話ごとの会話劇や過去の回想が長く、ストーリーの進展が非常にスローペースになる。次の16巻が出るまで何ヶ月も(あるいは1年以上)待たされると思うと、少し中だるみを感じる。
何気ない「民間魔法」を集める旅。「かき氷を出す魔法」や「温かいお茶を入れる魔法」といった、バカバカしくも旅を豊かにする日常の愛おしさに救われる。壮大な魔王討伐の「後日譚」だからこそ描ける、最高の癒やし。
「フリーレンが1000年以上生きている天才魔法使い」なので、どんなに強大な魔族や敵が現れても、最終的には彼女の規格外の魔力や仕込みで解決するご都合主義に見えてしまう瞬間がある。もう少しハラハラする死闘が見たかった。



