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レビュー著者: 漫画よしあし
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最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか の感想と評価(良いところ、悪いところ)

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか

著者: 鳳ナナほおのきソラ

連載: 月刊Gファンタジー

ジャンル: ファンタジーコメディアクション

評価: 8.3/10

あらすじ

婚約者に裏切られ、断罪された公爵令嬢スカーレット・ローゼンハイム。しかしこの令嬢、実は前世の記憶を持つ転生者であり、しかも絶対無敵の「剛腕」の持ち主だった。鳳ナナ(原作)とほおのきソラ(漫画)が描く、理不尽を物理で解決するざまぁ系アクション・コメディ。毎回丁寧に「お願い」という形式を踏まえながら、結局ゴリ押しで正義を貫くスカーレットの清々しい問題解決スタイルが痛快な、爽快感特化の女主人公コメディファンタジー。

良い所

  • 「最後にひとつだけお願いを」という形式で毎回ていねいに切り出しておきながら、腕力で全部解決してしまうスカーレットのキャラクターに爆笑します。コメディとしての様式美が非常に完成されていて気持ちいい。
  • 主人公が理不尽に屈せず、強さで叩き潰す「ざまぁ」の爽快感が非常に高い。女主人公が圧倒的な力を持つ作品はたくさんありますが、このシリーズは毎回キレのあるオチがついていて、一話の満足感が高いです。
  • スカーレットのビジュアルが美しく、凛とした立ち振る舞いとたまに見せるコミカルな一面のギャップが可愛い。周囲の騎士団員たちとの軽妙な掛け合いも楽しく、キャラクターの雰囲気が非常に好きです。
  • 「悪役令嬢もの」の中でも、「物理で解決」というコンセプトの振り切り方が潔くて好き。ストレスになるような陰険な嫌がらせや長引く鬱展開がなく、毎回スパッと解決されるので読後感が最高に爽快です。
  • 展開のテンポが非常に良く、一話一話がコンパクトにまとまっているので隙間時間に読むのに最適。コメディ要素がしっかり機能していて、声に出して笑えるシーンが多いです。

悪い所

  • 展開がワンパターンになりがちで、「理不尽→お願い→力技で解決」という繰り返しに、中盤以降は少し飽きを感じてしまう読者もいるかもしれません。ギャグとして機能する期間が読者によって差があります。
  • 物語としての深みや、シリアスな葛藤的な要素はほぼ皆無なので、スカーレット本人がどう成長し、何を目指しているのかという軸がやや薄め。コメディに割り切っているのは潔いですが、感動などの感情が乗りづらい面も。
  • 敵役の貴族たちが一様に「分かりやすい悪役」として描かれているため、悪役としての深みや裏事情への興味が持てず、倒す際のカタルシスよりも「またか」という感覚になる時期が一部ありました。
  • 「ざまぁ系」という性質上、主人公が常に無双し続けるため、本当の意味での「ピンチ」がなく、物語の緊張感が全体を通して薄いです。爽快感の裏返しとして、スリルを求める読者には物足りなさが残ると思います。
  • 異世界ファンタジーとしての世界観が、あくまでコメディの舞台装置として機能しているため、設定の深掘りや世界の謎解きには期待しないほうが良い。ジャンルとしての割り切りが必要な作品です。

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