レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
8月31日のロングサマー の感想と評価(良いところ、悪いところ)
8月31日のロングサマー
著者: 伊藤一角
連載: モーニング/コミックDAYS
評価: 8.8/10
あらすじ
夏休みの最終日、8月31日を何度も繰り返すタイムループに陥ってしまった高校生の鈴木くんと高木さん。記憶を保持できる二人は、ループを抜け出すための原因を鈴木くんのやり残した未練、男子最大の目標である『初体験』ではないかと仮定する!大真面目に性のステップアップを模索する二人の、すれ違う不器用で真っ直ぐな恋心。定点カメラのような同じアングルのコマを繰り返す伊藤一角独自の演出センスと、鈴木くんの理屈っぽくて絶妙にキモい言動に対する高木さんの冷ややかなツッコミが抜群に面白い。幼馴染の奥野さんとの切ない失恋を経て、真夏ちゃんとの疑似家族編、そして新たな旅路へと舵を切る新感覚タイムループ青春ラブコメディ!
読む前に確認したい相性
向いている人
- バカバカしくも、ピュアで知的なループ青春ラブコメという新鮮な味わいを楽しみたい人
- 同じアングルを繰り返す、独特の画面構成と心地よい演出リズムに癖になって浸りたい人
- おふざけだけでなく、切なさが胸を締め付ける関係の熟成をじっくり追いかけて味わいたい人
向いていない人
- 繰り返しの設定が苦手な人で、恋愛が決定的に進展していくスピード感を強く求めている人
- 静かな二人きりの世界を好む人で、賑やかに広がる群像劇のような展開が苦手だと感じる人
- 穏やかにループする日常よりも、劇的な大事件やハラハラする展開を強く期待している人
良い感想・レビュー
- 俺、「初体験」をしないとループを抜け出せないと仮定して、二人が大真面目に性に向き合うバカバカしくもピュアな設定にガチで惚れた。こんなに知的で、かつ笑える下ネタ青春ラブコメは他にない。
- 鈴木くんの、ハイスペックなのに空気が読めなくて理屈っぽい「絶妙にキモいのにどこか愛おしい男の子」の解像度がとにかく高い。彼に対する高木さんの冷たいけど愛情のあるツッコミの掛け合いが最高。
- 8巻の幼馴染の奥野さんが鈴木くんの恋を察して身を引き、大粒の涙を流すあの失恋回に本気で号泣した。単なるおふざけギャグじゃなく、あり得たかもしれない別の未来の描き方が切なすぎて胸が締め付けられる。
- 伊藤一角先生の定点カメラで撮っているかのような同じアングルのコマを繰り返す独特の画面構成がまじで秀逸。この演出リズムが、繰り返される「8月31日」の温度感と完璧にマッチしていて癖になる。
- 12巻のいとこの真夏ちゃんを交えた疑似家族編の切ない終わりと、彼女の笑顔を取り戻すための新たな旅立ちに胸が熱くなった。ただの引き伸ばしじゃなく、二人の関係が少しずつ熟していく過程がたまらない。
悪い感想・レビュー
- 同じ「8月31日」だけを延々と繰り返すため、物語の進行や二人の恋愛関係の決定的な進展がとにかく超スロー。毎週連載で追っていると、変化がなさすぎて少しマンネリやじれったさを感じてしまうのが本音。
- 奥野さんとの決着(8巻)で綺麗に完結するかと思いきや、9巻以降の真夏ちゃんとの疑似家族ごっこ編などのごちゃごちゃした展開に戸惑った。初期の鈴木くんと高木さん二人きりの静かなSF感が薄れて残念。
- 鈴木くんの「性欲」に対する大真面目すぎるアプローチやセリフが、生々しい男のエゴに感じられて、時々ちょっとキモさが勝って引いてしまうことがあった。もっと爽やかでクリーンな純愛が見たい人には不向き。
- 11巻や12巻と新キャラ(赤羽根や涼井)が増えるにつれて、「本当に初体験だけがループ脱出の条件なのか」という初期の謎解きが蔑ろになっている気がする。もう少し本筋のSFミステリーを進めてほしい。
- 実在する街のロケーションや、時系列の整合性は素晴らしいけど、物語に劇的なバトルやハラハラする大事件が少ないので、一気読みするとどうしても平坦。ただ穏やかにループする日常が好きな人向けかな。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
俺、「初体験」をしないとループを抜け出せないと仮定して、二人が大真面目に性に向き合うバカバカしくもピュアな設定にガチで惚れた。こんなに知的で、かつ笑える下ネタ青春ラブコメは他にない。
同じ「8月31日」だけを延々と繰り返すため、物語の進行や二人の恋愛関係の決定的な進展がとにかく超スロー。毎週連載で追っていると、変化がなさすぎて少しマンネリやじれったさを感じてしまうのが本音。
鈴木くんの、ハイスペックなのに空気が読めなくて理屈っぽい「絶妙にキモいのにどこか愛おしい男の子」の解像度がとにかく高い。彼に対する高木さんの冷たいけど愛情のあるツッコミの掛け合いが最高。
奥野さんとの決着(8巻)で綺麗に完結するかと思いきや、9巻以降の真夏ちゃんとの疑似家族ごっこ編などのごちゃごちゃした展開に戸惑った。初期の鈴木くんと高木さん二人きりの静かなSF感が薄れて残念。
8巻の幼馴染の奥野さんが鈴木くんの恋を察して身を引き、大粒の涙を流すあの失恋回に本気で号泣した。単なるおふざけギャグじゃなく、あり得たかもしれない別の未来の描き方が切なすぎて胸が締め付けられる。
鈴木くんの「性欲」に対する大真面目すぎるアプローチやセリフが、生々しい男のエゴに感じられて、時々ちょっとキモさが勝って引いてしまうことがあった。もっと爽やかでクリーンな純愛が見たい人には不向き。
伊藤一角先生の定点カメラで撮っているかのような同じアングルのコマを繰り返す独特の画面構成がまじで秀逸。この演出リズムが、繰り返される「8月31日」の温度感と完璧にマッチしていて癖になる。
11巻や12巻と新キャラ(赤羽根や涼井)が増えるにつれて、「本当に初体験だけがループ脱出の条件なのか」という初期の謎解きが蔑ろになっている気がする。もう少し本筋のSFミステリーを進めてほしい。
12巻のいとこの真夏ちゃんを交えた疑似家族編の切ない終わりと、彼女の笑顔を取り戻すための新たな旅立ちに胸が熱くなった。ただの引き伸ばしじゃなく、二人の関係が少しずつ熟していく過程がたまらない。
実在する街のロケーションや、時系列の整合性は素晴らしいけど、物語に劇的なバトルやハラハラする大事件が少ないので、一気読みするとどうしても平坦。ただ穏やかにループする日常が好きな人向けかな。





