レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
走馬灯株式会社 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
走馬灯株式会社
著者: 菅原敬太
連載: 漫画アクション
ジャンル: ミステリー/青年マンガ/ホラー・サイコスリラー/サスペンス
評価: 8.1/10
あらすじ
自分の視点で記録されたこれまでの人生を、DVDとしてすべて観ることができる不思議な場所「走馬灯株式会社」。妻と子を失った男性、集団自殺を希望する若者たちなど、様々な悩みを抱えた人々がふとした拍子にこの会社に迷い込む。彼らが案内人の神山から手渡された自分の人生の記録を観始めると、そこには自分が知らなかった過去の真実や、他人の恐るべき裏の顔、そして心の奥底にしまいこんだはずの秘密が容赦なく映し出されていた。真実を知ってしまった後、彼らの人生はどう変わってしまうのか。人間の奥底にある業や欲、狂気をえぐり出す、『笑ゥせぇるすまん』や『世にも奇妙な物語』を彷彿とさせるダークなサイコスリラー!
良い所
- 自分の視点で記録された人生のDVDを観ることができるという走馬灯株式会社の不思議な設定が秀逸で、設定だけで一気に引き込まれました。どんな真実が隠されているのか毎話ドキドキします。
- 知られざる事実を知ることで、背筋が凍るようなブラックな結末を迎えたり、逆に涙するような温かく優しい真実が明かされたりと、バリエーション豊かな1話完結型のオムニバス形式がとても読みやすいです。
- 人間の奥底にある業や欲、狂気をこれでもかとえぐり出すダークなサイコスリラーとして非常に面白いです。『笑ゥせぇるすまん』や『世にも奇妙な物語』が好きな人には絶対におすすめできる大傑作です。
- 案内人の神山さんが淡々と事実を突きつけるミステリアスな存在感が不気味で魅力的です。人間の裏の顔やドロドロとした人間関係を暴き出すストーリーの構成力が素晴らしく、読む手が止まりませんでした。
- 真実を知ることが必ずしも幸せに繋がるわけではないという、残酷だけれど深いテーマに考えさせられました。時に救いがあり、時に絶望に突き落とされる予想のつかない展開にすっかり魅了されています。
悪い所
- 人間の裏の顔や残酷な真実が容赦なく明かされるため、胸糞悪くなるような後味の悪い結末も多く、少し精神的に疲れてしまいました。ハッピーエンドを望む人には合わない、かなり人を選ぶ作風だと思います。
- 物語の性質上、人間のドロドロした部分を描くために必要なのでしょうが、お色気描写や暴力的な展開が少ししつこく感じられるエピソードがあり、純粋なミステリーとしてはノイズに感じてしまいました。
- 最終巻の結末にかけて、なぜこの会社が存在するのか、株主や組織の成り立ちといった最大の核心や謎にはあまり迫れずに終わってしまったのが少し消化不良で残念でした。もっと裏側の設定が知りたかったです。
- オムニバス形式でサクサク読めるのは良いのですが、たまに登場人物たちの行動が極端に愚かだったり不自然だったりして、自業自得すぎてあまり同情できない話がありました。少しご都合主義な気もします。
- 真実を知った後の主人公たちが何も解決しないまま絶望して終わる話が続くので、単行本をまとめ読みしていると気が滅入ってきます。もう少し救いのある話や、すっきりする展開の割合が多くても良かったです。




