レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
ミステリと言う勿れ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
ミステリと言う勿れ
マークダウンで表示著者: 田村由美
連載: 月刊flowers
評価: 9.5/10
あらすじ
天然パーマがトレードマークの極めて平凡な大学生・久能整。ある日、身に覚えのない殺人容疑をかけられた彼は、取り調べの最中にただ『しゃべる』だけで、警察官たちの悩みや事件の矛盾を鮮やかに解きほぐしていく!アクションも派手なトリックも一切排除し、観察眼と対話だけで犯罪や人間のドロドロしたトラウマを解体する極上の会話劇ミステリー。常識を鮮やかに塗り替える整の数々の名言と、世界の裏で暗躍するカウンセラー・鳴子巽を巡る巨大なサスペンスの影。最新16巻の『なぬか島編』のクローズドサークルでいよいよ我路と整が交錯する、現代社会の歪みを優しく抉る心理サスペンスの最高峰!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 事件の謎だけでなく人の心の傷まで、会話だけで解きほぐす知的な物語が好きな人
- 常識を鮮やかにひっくり返す言葉で、自分の価値観を揺さぶられたい人
- 一話完結の謎解きと、背後で進む大きなサスペンスの両方を楽しみたい人
向いていない人
- 主人公が持論を語る場面を、説教じみていると感じてしまいやすい人
- トリック重視の本格ミステリとして、論理の応酬を主に求めている人
- 謎が一気に解決へ進むのを好み、長い縦軸のじれったさが苦手な人
良い感想・レビュー
- 俺は整の「事件のトリックだけでなく、犯人や刑事たちの心のトラウマまでお喋りだけで解きほぐすロジカルな会話劇」に本気でシビれた。まるで上質な舞台劇を観ているような、高密度のサスペンスに脱帽。
- 育児の「手伝う」という言葉の欺瞞への指摘など、当たり前とされていた常識を鮮やかに解体する整の名言の数々に、自分の価値観がアップデートされた。ただの娯楽ミステリーを超えた深い人生の哲学がある。
- ただの事件解決じゃなくて、犬堂我路(ガロ)が追う連続殺人鬼のカウンセラー・鳴子巽を巡る壮大なサスペンスの縦軸が本当に秀逸。16巻のなぬか島編で、ついにガロと整が交錯する展開にゾクゾクが止まらない。
- 田村由美先生の、キャラクターたちの細かな視線の動きや、静かだけど凄みのある表情描写の圧倒的な画力が素晴らしい。1話あたりの密度が物凄く濃くて、知的で最高の読書体験が毎回味わえる傑作だと思う。
- 実写ドラマや映画で菅田将暉さんが演じた整が大好きで原作を読んだけど、紙面から漂う整の少し面倒くさくて、でもどこか愛らしいお茶目な人間味に惚れた。ライカとの切ない別れのエピソードは本当に号泣。
悪い感想・レビュー
- 整が事件の真っ最中に突然長々と語り出す作者の主義主張を代弁させているかのような説教臭い語り口が、僕には少し鼻についた。もう少し純粋に、犯人とのスリリングなトリックの騙し合いに集中してほしい。
- 「整がぼそぼそ喋りかけるだけで、犯人が全員あっさり反省して自白する解決プロセス」が、少しリアリティに欠けるご都合主義的なテンプレートに感じてしまった。実際の凶悪犯はこんなに話を聞かないと思う。
- 月刊連載で進行がスローなうえ、最新のなぬか島編のように長編が複数巻にわたって長引く展開が多く、新刊が出るたびにあらすじを忘れるのがしんどい。もっと初期のようなサクッと終わる短編ミステリーが見たい。
- 整がどこに行っても必ず殺人事件に遭遇する「コナン並みの死神体質」と、警察が彼を頼りきりなご都合設定に冷めてしまった。事件の起き方がやや唐突で強引に感じてしまい、世界観に没入しきれない時がある。
- 謎のアクセサリーを配る鳴子を巡る宿命など、本筋のミステリー(縦軸)の進行があまりにも遅くて引き伸ばし感を感じてしまう。16巻になってもまだ鳴子に手が届かないので、もっとサクサク進んでほしいのが本音。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
俺は整の「事件のトリックだけでなく、犯人や刑事たちの心のトラウマまでお喋りだけで解きほぐすロジカルな会話劇」に本気でシビれた。まるで上質な舞台劇を観ているような、高密度のサスペンスに脱帽。
整が事件の真っ最中に突然長々と語り出す作者の主義主張を代弁させているかのような説教臭い語り口が、僕には少し鼻についた。もう少し純粋に、犯人とのスリリングなトリックの騙し合いに集中してほしい。
育児の「手伝う」という言葉の欺瞞への指摘など、当たり前とされていた常識を鮮やかに解体する整の名言の数々に、自分の価値観がアップデートされた。ただの娯楽ミステリーを超えた深い人生の哲学がある。
「整がぼそぼそ喋りかけるだけで、犯人が全員あっさり反省して自白する解決プロセス」が、少しリアリティに欠けるご都合主義的なテンプレートに感じてしまった。実際の凶悪犯はこんなに話を聞かないと思う。
ただの事件解決じゃなくて、犬堂我路(ガロ)が追う連続殺人鬼のカウンセラー・鳴子巽を巡る壮大なサスペンスの縦軸が本当に秀逸。16巻のなぬか島編で、ついにガロと整が交錯する展開にゾクゾクが止まらない。
月刊連載で進行がスローなうえ、最新のなぬか島編のように長編が複数巻にわたって長引く展開が多く、新刊が出るたびにあらすじを忘れるのがしんどい。もっと初期のようなサクッと終わる短編ミステリーが見たい。
田村由美先生の、キャラクターたちの細かな視線の動きや、静かだけど凄みのある表情描写の圧倒的な画力が素晴らしい。1話あたりの密度が物凄く濃くて、知的で最高の読書体験が毎回味わえる傑作だと思う。
整がどこに行っても必ず殺人事件に遭遇する「コナン並みの死神体質」と、警察が彼を頼りきりなご都合設定に冷めてしまった。事件の起き方がやや唐突で強引に感じてしまい、世界観に没入しきれない時がある。
実写ドラマや映画で菅田将暉さんが演じた整が大好きで原作を読んだけど、紙面から漂う整の少し面倒くさくて、でもどこか愛らしいお茶目な人間味に惚れた。ライカとの切ない別れのエピソードは本当に号泣。
謎のアクセサリーを配る鳴子を巡る宿命など、本筋のミステリー(縦軸)の進行があまりにも遅くて引き伸ばし感を感じてしまう。16巻になってもまだ鳴子に手が届かないので、もっとサクサク進んでほしいのが本音。





