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あかね噺 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 落語を知らない私でも、噺家の所作や話の間(ま)などが丁寧に描かれていて、自然と引き込まれた。
- 主人公朱音の努力と悩みがリアルで、ただ憧れるだけでなく苦悩しながら成長していく姿が共感できる。
- 絵柄が綺麗で、場の空気や観客の反応など“見せ場”の描写がとても上手く、落語の緊張感が伝わる。
- キャラクターそれぞれが個性豊かで、ライバルや師匠との関係性にも深みがあり、物語に厚みを感じる。
- ストーリーの山場である“可楽杯”や真打昇進試験などの大会構成が見応えがあって、一席一席の重みがある。
悪い所
- 物語が進むにつれて、主人公が困難を乗り越える展開が早くなりすぎて、成長の過程が薄く感じることがある。
- 落語の専門的な用語や所作の描写が多いため、落語初心者には理解が追いつかない場面が少なくない。
- 主人公朱音の性格が“熱い”一方で、内面の葛藤や弱さが描かれる割合が少ないと感じる箇所があり、感情移入しづらい時もある。
- 展開がやや王道少年マンガ寄りで、“ジャンプっぽさ”を強く感じさせるステレオタイプなシーンがあるのが惜しい。
- 話のスケールが大きくなるに従って、落語の“間”や日常の描写など細かい部分が詰め込み過ぎになって、時に圧倒される。