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あかね噺 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

あかね噺

あかね噺

著者: 末永裕樹/馬上鷹将

連載: 週刊少年ジャンプ

少年漫画落語成長ものドラマ

評価: 9/10

あらすじ

落語家の父・阿良川志ん太を尊敬して育った高校生・桜咲朱音は、ある真打昇進試験で父が破門されてしまったことをきっかけに、“落語”という表現の道で父の無念を晴らすことを誓う。志ん太の師匠・志ぐま一門に弟子入りし、数々の高座や学生大会、ライバルとの競い合いを通して、朱音は技術、間(ま)、台本、観客との対話などを学び、自分の“噺”を磨いていく。

良い所

  • 落語を知らない私でも、噺家の所作や話の間(ま)などが丁寧に描かれていて、自然と引き込まれた。
  • 主人公朱音の努力と悩みがリアルで、ただ憧れるだけでなく苦悩しながら成長していく姿が共感できる。
  • 絵柄が綺麗で、場の空気や観客の反応など“見せ場”の描写がとても上手く、落語の緊張感が伝わる。
  • キャラクターそれぞれが個性豊かで、ライバルや師匠との関係性にも深みがあり、物語に厚みを感じる。
  • ストーリーの山場である“可楽杯”や真打昇進試験などの大会構成が見応えがあって、一席一席の重みがある。

悪い所

  • 物語が進むにつれて、主人公が困難を乗り越える展開が早くなりすぎて、成長の過程が薄く感じることがある。
  • 落語の専門的な用語や所作の描写が多いため、落語初心者には理解が追いつかない場面が少なくない。
  • 主人公朱音の性格が“熱い”一方で、内面の葛藤や弱さが描かれる割合が少ないと感じる箇所があり、感情移入しづらい時もある。
  • 展開がやや王道少年マンガ寄りで、“ジャンプっぽさ”を強く感じさせるステレオタイプなシーンがあるのが惜しい。
  • 話のスケールが大きくなるに従って、落語の“間”や日常の描写など細かい部分が詰め込み過ぎになって、時に圧倒される。

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