レビュー著者: 漫画よしあし
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エリア51 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 「神話の存在が現代の街でスラムを形成している」という世界観の設定だけで100点満点です。そこにハードボイルドな探偵が絡む展開が最高にクールで、マッコイの生き様に惚れ惚れします。
- 久正人先生の黒ベタを多用したスタイリッシュな絵が、この猥雑で危険な街の空気を完璧に描き出しています。映画のワンシーンを切り取ったような構図の連続で、とにかく画面がかっこいい。
- 世界中の神話や伝承のキャラクターが、マフィアや娼婦といった現代の裏社会の役割を与えられているアレンジが秀逸。「あの神様がこんな姿に!」という驚きが毎回あります。
- 一見バラバラの短編のように見えて、背後で巨大な陰謀が動いており、それが終盤に向けて一気に収束していく構成が見事。最後まできっちり計算された物語の美しさがあります。
- マッコイのシニカルな台詞回しと、どんな強大な神を相手にしても「人間」として抗う姿勢が熱いです。ハードボイルド好きなら絶対に読んで後悔しない傑作です。
悪い所
- 黒と白のコントラストが強すぎる独特の画風は、暗いシーンでの状況把握が難しく、「今何が起きてるの?」と目を凝らして読まなければならない場面が少なくありません。
- 世界中の神話や妖怪に関する知識がある程度ないと、登場キャラクターの「元ネタ」が分からず面白さが半減してしまいます。小ネタを拾うために調べながら読む必要があります。
- ハードボイルドな雰囲気を重視しているため、時折セリフがキザすぎたり、少し衒学的に感じられたりして、そのノリに乗り切れないと少し白けてしまうかもしれません。
- 暴力的な描写や裏社会の生々しい描写(ドラッグや性産業など)が頻出するため、そういうダークな世界観が苦手な読者にはおすすめできません。大人向けの作品です。
- 終盤の神話レベルの壮大な展開は圧巻だったけど、個人的には序盤の「スラム街のしがない探偵」という泥臭くてこじんまりとしたハードボイルド感が大好きだったので、風呂敷が広がりすぎた気がして少し複雑。




