レビュー著者: 漫画よしあし
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足洗邸の住人たち。 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 東西の神話や妖怪、悪魔がごちゃ混ぜになった圧倒的な情報量に、伝奇モノ好きとして悶絶しました!設定の細かさや遊び心が画面の隅々にまで詰まっていて、一コマ一コマをじっくり読み解くのが最高に贅沢な時間です。
- 福太郎という「普通」の人間が、人外だらけの環境でたくましく生き抜く姿が大好きです。恐ろしい怪物たちが、アパートの中では掃除をしたり酒を飲んだりしている、あの奇妙な日常感がクセになって堪りません。
- みなぎ得一先生独特の、書き込みが凄まじい筆致とケレン味溢れる演出が最高に格好いい!必殺技の名前や独特のオノマトペ、巻末の膨大な解説など、作品全体から溢れ出る圧倒的な熱量に完全にノックアウトされました。
- 日常のゆるいやり取りと、世界の命運をかけた壮絶なバトルの落差が激しくて面白いです。シリアスな戦いの中でも失われないコミカルなノリが、この過酷な世界観に独自の救いと暖かみを与えていると感じました。
- 脇役に至るまで、すべてのキャラクターのバックボーンがしっかりしているのが素晴らしい。一度登場したキャラが忘れた頃に意外な形で再登場するような、重層的な世界観の広がりを感じられる大満足の長編です。
悪い所
- とにかく情報量と設定が膨大すぎて、油断するとすぐに置いていかれます。固有名詞や過去の出来事の説明が非常に多いため、さらっと気軽に読みたい時には不向きな、かなりエネルギーを消費する作品だとは思います。
- 画面構成が非常にゴチャゴチャしていて、バトルの状況が把握しづらい回がいくつかありました。描き込みの凄さは魅力ですが、もう少し視覚的な整理がされていれば読みやすかったのに、と感じることも。
- 一見さんお断り、と言わんばかりの癖の強さがあります。みなぎ先生の過去作との繋がりや、神話への深い知識がないと面白さが100%理解できないような敷居の高さを感じてしまい、少し疎外感を覚える瞬間も。
- 物語の後半、伏線回収やラスボス戦が意外とあっさり終わってしまったような印象を受けました。それまでの壮大な積み上げが凄かっただけに、最後はもっとド派手な大団円を見たかった、というのが正直な感想です。
- 初期の「足洗邸の日常」をもっと長く見たかったです。世界の命運をかけたシリアスな戦いも熱いのですが、個性的すぎる住人たちの奇妙な同居生活のドタバタ劇の方が、個人的にはこの作品の真骨頂だと感じていました。



