レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
ねずみの初恋 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
ねずみの初恋
マークダウンで表示著者: 大瀬戸陸
連載: 週刊ヤングマガジン
評価: 9.1/10
あらすじ
ヤクザ組織に拾われ、感情を殺してターゲットを暗殺する冷酷な「殺し屋」として育てられた少女、ねずみ。ある日、普通の温かい心を持った青年・碧と出会い、初めて人の「愛」を知った彼女は、彼と共に生きることを誓う。だが、裏社会の組織がその裏切りを許すはずもなく、理不尽な制約と血生臭い暗殺任務が二人を追い詰めていく。大瀬戸陸の描く、骨が砕け血飛沫が舞う凄絶なバイオレンスアクションと、絶望的な運命の中で一途にお互いを想い合い、光を求めてもがく二人の過酷な純愛。あまりに残酷で、あまりに切ない、逃れられない宿命に抗う初恋の物語!
良い所
- 私は感情を知らない無垢な暗殺者だったねずみが、碧の優しいおにぎりや言葉に触れて「初めて人の愛」を知っていく心理描写に号泣した。どれだけ凄惨な世界でも、二人の純愛だけは本当にピュアで美しい。
- 大瀬戸陸先生の描く、一打ごとに血飛沫が舞い、骨が砕け、肉が裂ける容赦のないガチのバイオレンス描写に圧倒された。可愛らしいねずみが、戦闘に入ると悪魔のような戦闘力で無双するギャップがマジで痺れる。
- 普通の青年だった碧が、ねずみの過酷な正体を知っても怯まず、彼女を暗闇から救い出すために命を懸けて男気を見せる姿に震えた。ただの守られる男じゃなく、優しさと強い覚悟を宿していく成長が熱すぎる。
- ヤクザ組織の幹部たちや、次々と二人の逃亡を阻む不気味で一癖もある冷酷な同業の暗殺者たちとの知略戦が凄まじい。いつ背後から刺されるか分からない、息が詰まるようなアングラな緊迫感がたまらない。
- 互いの命を人質に取されるような「自分たちの幸せのために、誰かを殺さなければならない」という重い葛藤のドラマに胸が締め付けられる。過酷な宿命に抗いながら、二人が必死に光を求めてもがく姿が尊い。
悪い所
- ヤクザによる虐待、凄惨な拷問、精神的な痛めつけなど、あまりに救いがない胸糞悪くてグロテスクなバイオレンス展開の連続に、僕はかなり胃が痛くなった。精神的に弱っている時に一気読みすると確実に鬱になる。
- ねずみたちの幸せな同棲生活が少し描かれたと思ったら、すぐに組織の陰謀や理不尽な制約でどん底に突き落とされるループがしんどい。ハラハラするけど、あまりに障害が多すぎて読んでいて息が詰まるのが本音。
- 物語のテーマ上仕方ないが、「人を殺した過去や、犯罪に加担せざるを得ない残酷な現実」から絶対に逃れられない。ハッピーエンドを期待して読むと、常に暗い因縁が影を落としていて心が苦しくなる部分がある。
- 大瀬戸先生の画力は高くて凄いが、人間の顔の歪みや、一部の凄惨な怪我の描写がリアルすぎて、私は少し生理的に受け付けないシーンがあった。ダークサスペンスなのは承知の上だけど、食事中には絶対に読めない。
- 中盤以降、「ヤクザの派閥抗争や組織内の裏工作の駆け引き」がかなり複雑になってきて、一度読んだだけでは関係性を整理しづらかった。もっと初期の、ねずみと碧の二人きりの逃亡のスリルが長く見たかった。
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