レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
辺境の老騎士 バルド・ローエン の感想と評価(良いところ、悪いところ)
辺境の老騎士 バルド・ローエン
連載: ヤングマガジン
評価: 8.7/10
あらすじ
金も名誉も捨てて、辺境の老騎士バルド・ローエンは己の死に場所を探すための孤独な旅に出た。長年の過酷な戦いから解放された彼は、ひとりぼっちで見知らぬ土地の美味しいご飯に舌鼓を打ち、美しい景色に感嘆する穏やかな日々を送り始める。ひっそりと始まった終わりの旅路だったが、彼はまだ知らなかった。それが、世界を巻き込む新たな冒険の幕開けとなることを。やがてバルドは、辺境の大領主コエンデラ家が引き起こす陰謀と争いに巻き込まれ、再び剣を取ることになる。圧倒的な画力で描かれる老騎士の誇りと、絶品のファンタジーグルメ!骨太で奥深い、珠玉のハイファンタジー巨編が開幕!
良い所
- 引退して死に場所を探す渋いおじいちゃん騎士が主人公という設定が斬新で、安易なチートや無双ではない、一本筋の通った骨太なハイファンタジーとして最高に面白いです。バルドの生き様に惚れ惚れしました。
- グルメ漫画としての側面も強く、過酷な旅や戦いの合間に挟まれる食事シーンがたまりません!バルドの幸せそうな食レポや美味しそうに食べる表情に、読んでいるこちらまで癒やされてお腹が空いてきます。
- 菊石森生先生の画力が圧倒的で、老騎士の皺一本や甲冑の傷まで緻密に描かれており、巻を追うごとに作画の密度が増しています。まるで映画のような重厚なファンタジー世界にどっぷりと浸れました。
- 魔獣との戦いや国家の陰謀など、本格的なファンタジー要素と、素朴な旅のグルメのバランスが絶妙です。長年の経験と知恵で困難を乗り越えていく老騎士の背中が、本当にかっこよくて涙が出そうになります。
- ただの『なろう系』とは一線を画す、文章の美しさと深みを感じる名作です。バルドを取り巻く人々との温かい交流や、彼が遺していくものの尊さに、読み終わった後も深い余韻が残りました。
悪い所
- 序盤ののんびりとした一人旅とグルメが好きだったのですが、中盤以降は本格的な攻城戦や国家の陰謀に巻き込まれていくため、路線変更に驚きました。最初の静かな旅物語をもっと長く楽しみたかったです。
- 派手な魔法や必殺技がバンバン炸裂するような、爽快感重視のファンタジーを求めている私には、少しとっつきにくく地味に感じられました。じっくりと味わうスルメ作なので、万人受けはしないかもしれません。
- 世界観や人間関係が重厚で落ち着いたテンポで進むため、サクサクと読みたい気分の時には少し読むのに体力が要ります。設定が複雑になってくると、一度読んだだけでは内容がスッと入ってこない時がありました。
- 老騎士が主人公ということで、若々しい恋愛要素や派手なヒロインの活躍が少なく、華やかさに欠ける部分があります。硬派なストーリーが好きな人向けで、少し渋すぎる世界観に感じてしまいました。
- 美味しい食事のシーンは良いのですが、戦いの最中にも関わらずのんびりとした描写が挟まることがあり、緊迫した雰囲気が削がれてしまう瞬間がありました。シリアスと日常の切り替えが少し極端な気がします。
同じジャンルの漫画
該当作品はありません。
