レビュー著者: 漫画よしあし
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社畜と少女の1800日 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 優里ちゃんの健気さと、東根さんが少しずつ「父親」になっていく過程に、毎話のように涙が止まりませんでした。血の繋がりを超えた、深い愛と信頼の形に、本当の家族とは何かを教わった気がします。
- 東根さんの社畜としてのリアルな苦悩と、家での優里ちゃんとの安らぎのコントラストが本当に素晴らしい。仕事でボロボロになった自分も、この漫画を読むことで一緒に救われているような、温かい気持ちになれました。
- 「1800日」という期限が最初から示されている切なさが、何気ない日常のシーンを一瞬一瞬、宝石のように輝かせています。二人の会話の一つ一つを、大切に、噛みしめるように読み進めたくなる名作です。
- 板場先生の柔らかくも芯のある絵柄が、物語の繊細な空気感と完璧にマッチしています。キャラクターのふとした表情だけで感情が伝わってきて、セリフ以上の想いが心にダイレクトに届く、稀有な読書体験でした。
- ラストシーンの美しさと納得感には、本当に心が震えました。長い時間をかけて丁寧に積み上げてきた二人の絆が、最高の形で結実した結末。読み終えた後、温かい多幸感でしばらく動けなくなるほどでした。
悪い所
- 主人公と少女の年齢差や同居という設定に対して、どうしても倫理的な不安や嫌悪感を抱いてしまう人がいるかもしれません。非常に健全で誠実な物語ですが、設定そのものがハードルになってしまうのは勿体ない。
- 物語が日常の積み重ねに重きを置いているため、大きな事件や劇的な展開を期待すると、少しテンポが遅くて退屈に感じてしまう時期があるかも。じっくりと感情の機微を味わうための、かなり静かな作品です。
- 東根さんの仕事環境がブラックすぎて、読んでいて自分の仕事の辛さを思い出してしまい、少ししんどくなる場面がありました。癒やしを求めて読んでいるのに、現実の厳しさを突きつけられるような感覚に。
- 優里ちゃんの「子供らしからぬ物分かりの良さ」が、たまにリアリティを欠いているように見えてしまうことがありました。もう少しわがままを言ってもいいのに、と彼女の健気さが逆に痛々しく感じてしまうことも。
- 物語の後半、1800日の終わりが近づくにつれての展開が少し急ぎ足に感じられ、もっと二人の何気ない日々をいつまでも見ていたかったという寂しさが。終わってほしくないという、ファンとしての切ない不満です。





