レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
麻雀放浪記 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
麻雀放浪記
連載: 週刊大衆
評価: 9.1/10
あらすじ
戦後復興期の混沌とした上野を舞台に、牌に魂を売った勝負師たちの生き様を描く。阿佐田哲也の不朽の名作小説を、嶺岸信明が圧倒的な劇画タッチでコミカライズ。いかさまが当たり前の裏社会で、若き「坊や哲」が海千山千の玄人(バイニン)たちと鎬を削り、勝負の厳しさと非情さを学んでいく。ただの麻雀漫画に留まらず、剥き出しの人間性や時代の熱気、そして「負けたら死ぬ」という極限状態での心理戦が、読む者の胸を熱くさせる。昭和という時代の影を鮮烈に描き出した、麻雀劇画の金字塔。
読む前に確認したい相性
向いている人
- 戦後の殺伐とした雰囲気の中でのイカサマを含む麻雀の心理戦を、緊迫感ごと楽しめる人
- 現代の競技麻雀とは一線を画す昭和の裏社会での危うい駆け引きと緊張感を追体験したい人
- 緻密な書き込みから伝わる戦後日本の殺伐とした時代の空気感を、じっくり味わいたい人
向いていない人
- 救いのない展開や非情な裏切りが連続する中で、読んでいて暗い雰囲気に気が滅入りやすい人
- イカサマや不正が日常茶飯事の主人公の行動への倫理的な不快感が拭えず、感情移入が難しい人
- 麻雀のルールや専門用語に不慣れなため、勝負の面白さや緊張感についていくのが難しい人
良い感想・レビュー
- とにかく当時の空気感がすごい。牌を握る音やタバコの煙まで感じられるような、緻密な書き込みに圧倒されました。イカサマを含めた緊迫感のある心理戦が、今の競技麻雀とは違う面白さがあります。
- 阿佐田哲也の世界観を見事に具現化している。特にドサ健をはじめとする玄人たちのキャラクターの凄みが凄まじい。一打一打に命を懸ける重みが、読んでいてダイレクトに伝わってきます。
- 勝負のテクニックだけでなく、敗者の悲哀や裏切りといった人間ドラマが深く描かれている。坊や哲が挫折を味わいながらも、次第に玄人の顔つきになっていく過程は、何度読んでも格好良いです。
- 今の綺麗な絵柄の漫画にはない、泥臭さと力強さがある。麻雀を知らなくても、この圧倒的な熱量と勝負に対する執念には引き込まれるはず。まさに男の美学を感じる名作です。
- 全編通して漂う『死の匂い』と、それでも打つのを辞められない中毒性が描かれている。昭和の退廃的な雰囲気が好きな人にはたまらない一冊。時代を越えて語り継がれるべき劇画だと思います。
悪い感想・レビュー
- 非常に内容が重厚で面白いが、作品全体に漂う戦後の殺伐とした空気や、非情な裏切りの連続に、人によっては読んでいて少し気が滅入ってしまうかもしれない。救いのある展開を求める人には不向き。
- 劇画特有の太い線と濃密な書き込みが特徴だが、最近の読みやすいクリーンな作画に慣れている読者には、少し絵が重すぎて読み進めるのにエネルギーが必要に感じられることもある。
- イカサマが前提の勝負が多いため、純粋な役作りの楽しさや確率論的な麻雀を楽しみたい人にとっては、少しジャンルが違うように感じられる面がある。これはあくまでバイニンの戦い。
- 物語が淡々と進む部分もあり、最近のジェットコースター的展開の漫画に比べると、テンポが少し遅く感じられる箇所がある。じっくりと腰を据えて背景を読み込む必要がある作品。
- 登場人物が皆かなり癖が強く、感情移入できるクリーンなキャラクターがほとんどいない。裏社会のリアルな人間模様を楽しめるかどうかで、作品への評価が大きく分かれるように思う。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
とにかく当時の空気感がすごい。牌を握る音やタバコの煙まで感じられるような、緻密な書き込みに圧倒されました。イカサマを含めた緊迫感のある心理戦が、今の競技麻雀とは違う面白さがあります。
非常に内容が重厚で面白いが、作品全体に漂う戦後の殺伐とした空気や、非情な裏切りの連続に、人によっては読んでいて少し気が滅入ってしまうかもしれない。救いのある展開を求める人には不向き。
阿佐田哲也の世界観を見事に具現化している。特にドサ健をはじめとする玄人たちのキャラクターの凄みが凄まじい。一打一打に命を懸ける重みが、読んでいてダイレクトに伝わってきます。
劇画特有の太い線と濃密な書き込みが特徴だが、最近の読みやすいクリーンな作画に慣れている読者には、少し絵が重すぎて読み進めるのにエネルギーが必要に感じられることもある。
勝負のテクニックだけでなく、敗者の悲哀や裏切りといった人間ドラマが深く描かれている。坊や哲が挫折を味わいながらも、次第に玄人の顔つきになっていく過程は、何度読んでも格好良いです。
イカサマが前提の勝負が多いため、純粋な役作りの楽しさや確率論的な麻雀を楽しみたい人にとっては、少しジャンルが違うように感じられる面がある。これはあくまでバイニンの戦い。
今の綺麗な絵柄の漫画にはない、泥臭さと力強さがある。麻雀を知らなくても、この圧倒的な熱量と勝負に対する執念には引き込まれるはず。まさに男の美学を感じる名作です。
物語が淡々と進む部分もあり、最近のジェットコースター的展開の漫画に比べると、テンポが少し遅く感じられる箇所がある。じっくりと腰を据えて背景を読み込む必要がある作品。
全編通して漂う『死の匂い』と、それでも打つのを辞められない中毒性が描かれている。昭和の退廃的な雰囲気が好きな人にはたまらない一冊。時代を越えて語り継がれるべき劇画だと思います。
登場人物が皆かなり癖が強く、感情移入できるクリーンなキャラクターがほとんどいない。裏社会のリアルな人間模様を楽しめるかどうかで、作品への評価が大きく分かれるように思う。




