レビュー著者: 漫画よしあし
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ホタルの嫁入り の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 殺し屋・進平の「愛が重すぎる狂気」と純粋さのギャップに、完全に沼りました!紗都子を溺愛し、彼女のためなら何でもする危うい献身が、明治の退廃的な空気感と相まって、抗えない魅力を放っています。
- ヒロイン紗都子の、死を覚悟した上での芯の強さと意志の力がとても格好良いです。ただ守られるだけでなく、進平の狂気を受け入れ、対等に渡り合おうとする彼女の強さこそが、この物語の真の核だと感じます。
- 明治時代という舞台設定を活かした、美麗な着物や剣戟の描写が素晴らしい。橘オレコ先生の圧倒的な画力で描かれる、キャラクターの視線の鋭さや緊迫した空気感に、1ページめくるごとに息を呑むほどの迫力があります。
- サスペンスと純愛が絶妙に融合しており、「次は誰が死ぬのか、どう愛を語るのか」というスリルが止まりません。命を削り合うような二人の関係性が、過酷な運命の中で輝いていく過程が本当にエモーショナルです。
- 完結まで一気に読みたくなる、先が読めない怒涛の展開が魅力です。流血描写もありつつ、根底にあるのは究極の純愛。「身分や死を超えた絆」を信じさせてくれる、重厚で美しい狂愛物語の傑作だと思いました。
悪い所
- 進平の愛情表現が強烈すぎるため、ヤンデレ的な執着が苦手な人には「怖い」「気持ち悪い」と感じさせてしまう可能性があります。独占欲の塊のような行動が多く、好みが真っ二つに分かれるキャラクターです。
- 流血や暴力的なシーンがかなり多いため、爽やかな明治ラブコメを期待して読み始めると衝撃を受けるかもしれません。サスペンス要素が強めなので、ある程度のグロテスクな描写への耐性が求められる作品です。
- 明治の時代設定は良いのですが、時代考証や展開の強引さが時折気になることがありました。ドラマチックな演出を優先するあまり、キャラクターの行動や状況の変化が唐突に見えてしまう場面があったのが惜しいです。
- 紗都子の「余命わずか」という設定が、物語を動かすための都合の良い動機に見えてしまう時期がありました。もっと、彼女自身の健康状態や死への恐怖をリアルに掘り下げた方が、物語の重みが増した気がします。
- 脇役キャラクターの扱いが少し雑に感じられるエピソードがありました。主人公二人の世界が強固すぎるため、周囲の人間がただの舞台装置のように見えてしまい、群像劇としての深みは少し物足りない印象です。



