レビュー著者: 漫画よしあし
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PSYREN―サイレン― の感想と評価(良いところ、悪いところ)
PSYREN―サイレン―
著者: 岩代俊明
連載: 週刊少年ジャンプ
評価: 8.5/10
あらすじ
「謎のテレホンカード」を手にした高校生・夜科アゲハ。彼が連れて行かれたのは、荒廃した絶望の未来「サイレン」の世界だった。そこは、特殊能力「PSI」を駆使しなければ生き残れない過酷な戦場。岩代俊明が放つ、SFサバイバルアクション。崩壊した未来の謎、現代に潜む陰謀、および仲間との絆。絶望の中でアゲハたちが掴み取る、光の物語が今、加速する!
良い所
- 荒廃した未来と現代を交差させる緻密なストーリー構成が最高に面白いです!謎のテレホンカードから始まる導入の不気味さと、徐々に解明されていく世界の謎に、ページをめくる手が止まらなくなる中毒性があります。
- 「ライズ・トランス・バースト」という3系統の能力設定が非常に明快で、戦略性の高いサイキックバトルを楽しめます。ただのパワー勝負ではなく、限られた能力をどう応用するかという知的な熱さが魅力です。
- 絶望的な状況下で、主人公たちが葛藤しながらも絆を深めていく描写が熱い!岩代先生の描くキャラクターの意志の強さが伝わってくるような表情が素晴らしく、少年漫画らしい「正義と勇気」に何度も胸を打たれました。
- 崩壊した未来のビジュアルが、退廃的でどこか美しい世界観を作り出していて引き込まれます。謎の敵組織や異形の怪物など、不気味ながらも魅力的な設定が満載で、SFサバイバルとしての完成度が非常に高い作品です。
- 打ち切りに近い形での完結だったとはいえ、物語を破綻させず最後まで描き切ったカタルシスがあります。伏線もしっかり回収されており、読み終わった後は一つの壮大な映画を見終えたような満足感がありました。
悪い所
- 終盤の駆け足感が否めず、もっとじっくりと掘り下げてほしかったエピソードがあっさりと解決してしまったのが残念です。名作なだけに、本来の構想通りに描かれた「完全な形」での物語が見たかったと強く思います。
- 主人公やヒロインのキャラクター造形が、他のジャンプ作品と比べると少し地味に映る時期がありました。中身は素晴らしいのですが、爆発的なキャラ人気に繋がるような、視覚的な華やかさがもう少し欲しかったかもです。
- 能力バトルのルールが明快な分、展開が少し予測しやすくなってしまっている場面がありました。もっと、読者の裏をかくような驚きや、絶望をひっくり返すような衝撃的な展開を期待していた読者もいるかもしれません。
- 敵側の動機や背景の描写が、最終的に駆け足で説明されてしまったことで、物語の厚みが少し損なわれた印象です。魅力的なライバルが多かっただけに、彼ら一人ひとりのドラマをもっと深く味わいたかったなと感じます。
- 前半のミステリアスな雰囲気に対し、後半は王道のバトル路線に寄りすぎた感がありました。最初の頃の「得体の知れない恐怖」を最後まで持ち越してほしかったので、作風の変化に少し戸惑いを感じたのも本音です。





