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レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

異世界失格 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

異世界失格

異世界失格

著者: 野田宏若松卓宏

連載: やわらかスピリッツ

ジャンル: 異世界ファンタジーコメディ

評価: 8.5/10

あらすじ

愛人と玉川上水で入水自殺を図った「あの文豪」が、異世界に転生してしまったら?野田宏(原作)と若松卓宏(作画)が放つ、斬新すぎる異世界ファンタジー。トラックに轢かれて転生するというお約束を嘲笑うかのように、常に睡眠薬を持ち歩き死に場所を探すシニカルなセンセー。チート能力に頼らず、その文学的な「言葉の力」と「死への執着」で異世界の常識を破壊していく痛快なアンチ・異世界転生モノ。

良い所

  • 「太宰治が異世界転生する」という出落ちかと思いきや、彼の文学的なセリフ回しや破滅的な行動原理が、王道の異世界ファンタジーに対する強烈なカウンターになっていて最高に面白いです。
  • センセーのチート能力が「猛毒(睡眠薬の飲み過ぎ)」など、彼のキャラクター性に合った自虐的な設定になっているのが笑えます。力ではなく言葉と狂気で事態を解決していくのが新しい。
  • 他の異世界転生者たちが「勇者」として傲慢に振る舞う中で、センセーのシニカルな視点が彼らの底の浅さを浮き彫りにする展開が、現代の異世界ブームへの皮肉が効いていて痛快です。
  • 若松先生の作画が非常に美しく、特にセンセーの気怠げで色気のある表情が魅力的です。ギャグシーンとシリアスシーンの描き分けも上手く、画面に引き込まれます。
  • ただのギャグ漫画ではなく、センセーが異世界の住人たちの「生きる意味」や「死生観」に言葉で寄り添うような深いドラマもあり、笑って泣ける名作です。

悪い所

  • 実在の文豪をモデルにしているため、文学ファンや太宰治に強い思い入れがある人の中には、そのパロディ的な扱いに不快感や違和感を覚える人がいるかもしれません。
  • センセーが常に「死にたい」と言い続けているため、そのネガティブな言動がどうしても受け付けないというポジティブ志向の読者には、全く合わない作品だと思います。
  • 異世界転生モノの「お約束」をパロディにしている部分が多いため、そもそも異世界転生ジャンルをあまり読んだことがない人には、その皮肉の面白さが伝わりにくいです。
  • センセーの行動が基本的に受動的で、トラブルに巻き込まれてから独特の理屈で解決するというパターンのため、主人公が自ら目的を持って動く活劇を期待すると退屈に感じます。
  • 文学作品からの引用やオマージュが多く、それらの元ネタを知らないと「なぜここでこのセリフ?」とポカンとしてしまう場面がいくつかあります。

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