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レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

イサック の感想と評価(良いところ、悪いところ)

イサック

著者: 真刈信二DOUBLE-S

連載: 月刊アフタヌーン

ジャンル: 青年歴史アクション戦記

評価: 9/10

あらすじ

1620年、新旧キリスト教徒が血を流し合う三十年戦争の嵐が吹き荒れるヨーロッパ。その最前線に、一挺の火縄銃と日本刀を携えた東洋人の傭兵・イサックが現れる。彼の目的は、かつて日本の堺で師匠を殺し、秘蔵の火縄銃『信』を奪って海外へ逃亡した兄弟弟子・ロレンツォへの復讐だった!プロテスタント側の傭兵として、圧倒的な技術による超長距離狙撃と、凄まじい剣劇で戦場を切り拓いていく。DOUBLE-Sの超高精細な作画で描かれる、西洋甲冑と和甲冑の激突する重厚な臨場感。過酷な戦いの果てに、相棒の少女ゼッタと共に生き抜く決意を描き、全19巻で堂々完結した、本格歴史アクション戦記の最高峰!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 異国の戦場で日本刀と長距離狙撃を駆使して戦う、孤高の傭兵の格好良さに思いきり痺れたい人
  • 甲冑や火縄銃まで緻密に描き込まれ、戦場の泥臭い熱気が伝わる重厚な作画を堪能したい人
  • 物語を引き延ばさず綺麗に畳んだ、静かな余韻の残る完結作を最後まで一気に読み切りたい人

向いていない人

  • 派手で分かりやすいカタルシスを求め、淡々とドライな決着の演出を物足りなく感じる人
  • 罪なき民への虐殺や略奪が淡々と描かれる、精神的に重い場面をなるべく気軽に読みたい人
  • 感情を爆発させる熱い主人公を求めており、終始感情を抑えた寡黙な人物像に馴染みにくい人

良い感想・レビュー

  1. 俺、中世ヨーロッパの三十年戦争を舞台に、日本刀と火縄銃による長距離狙撃で戦場を支配するサムライの活躍にガチでシビれた。ミリタリー考証と、異国で生き抜く異端の傭兵のカッコよさが本当に最高。
  2. DOUBLE-S先生の緻密に描き込まれた西洋甲冑や和の具足、火縄銃の細かい木目の美しさに圧倒された。トーンに頼りすぎない重厚な線画から、戦場の泥臭い熱気と硝煙の匂いが本当に伝わってくる。
  3. ただの復讐劇じゃない。イサックを慕う少女ゼッタが、風向きを読んで狙撃をアシストする相棒(バディ)へと成長する過程が尊い。最終巻で彼らが手を取り合って生きていく決意をするラストにはボロ泣きした。
  4. 城塞をめぐる数千人規模の攻囲戦など、当時の西洋の戦術や兵器の仕組みをロジカルに活かした集団戦のキレが素晴らしい。単なる個人の無双じゃなく、軍記物としての本格的なクオリティが極めて高い。
  5. 宿敵ロレンツォとの100話に及ぶ因縁に、19巻で完璧な決着をつけた潔い大団円が素晴らしかった。引き延ばさずに、イサックとゼッタのこれからの未来を感じさせる静かな余韻の残るハッピーエンドに大満足。

悪い感想・レビュー

  1. 19巻を通して、宿敵ロレンツォが爆発などから何度も「実は生きていた」としぶとく復活して再戦を挑む展開が、少ししつこく感じた。同じ因縁のパターンが繰り返されるため、中盤以降にマンネリを感じた。
  2. 序盤の数千人が激突する壮大な城塞戦の面白さに比べ、終盤はフランスを舞台にした個人同士の暗殺劇へスケールが縮小したのがもったいない。三十年戦争という大河ドラマをもっと全面に押し出して欲しかった。
  3. イサックもロレンツォも無口で冷徹なため、最後の決闘や心理戦の演出が非常にドライで淡々としていてあっさり感じた。もっと少年漫画のようなド派手な熱いセリフの応酬や、派手なカタルシスを期待すると退屈。
  4. 実在する歴史がベースなので仕方ないが、宗教戦争による罪なき民衆への虐殺や略奪といった、かなり残虐で胸糞悪いシーンが淡々と描かれる。精神的な重さに、娯楽として気楽に読むには胃が痛くなる瞬間がある。
  5. 主人公のイサックが、復讐というトラウマに囚われていて終始感情を殺したポーカーフェイスなので、いまいち感情移入しきれなかった。もっと彼自身の人間らしい弱さや、感情を爆発させるシーンが見たかった。

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