レビュー著者: 漫画よしあし
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平和の国の島崎へ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
平和の国の島崎へ
連載: モーニング
評価: 8.5/10
あらすじ
幼少期に国際テロ組織「LEL」に拉致され、戦闘工作員として育て上げられた男・島崎真悟。苛酷な環境を生き抜き、30年の時を経て組織からの脱出に成功した彼は、故郷である日本へと帰還する。彼が望むのは、ただ平穏で普通の日常を送ること。しかし、長年染み付いた戦場の感覚や圧倒的な戦闘スキルは隠しきれず、平和な日本社会の中で少しずつズレた行動を引き起こしてしまう。漫画家のアシスタントとして働きながら、懸命に周囲に溶け込もうとする島崎だったが、彼の背後には組織からの冷酷な追手が迫っていた。日常の尊さと不穏な影が交錯する、笑いと切なさが詰まった異色の日常アクション漫画の傑作が開幕!
良い所
- 幼少期にテロ組織に拉致され戦闘工作員として育てられた主人公が、平和な日本に溶け込もうとする設定が面白いです。日常と非日常のギャップに苦笑いしつつ、彼の純粋な内面に胸が締め付けられます。
- シティハンターのような最強の主人公ですが、普通の生活を送ろうと必死に空回る姿が愛おしいです。彼を囲む平和ボケした日本社会のリアルさも不気味で、続きが気になって一気に読んでしまいました。
- 一見すると穏やかな好青年なのに、実は歩く戦闘マシーンというギャップがたまりません!一生懸命に周りに溶け込もうとするけれど、なかなか上手くいかない不器用な姿に思わず感情移入して応援したくなります。
- 過酷な戦場を生き抜いてきた彼が、平和な日常で初めての感情を知っていく過程がとても丁寧に描かれています。心は拉致された小学生のままという設定が切なく、笑いの中に深い感動がある素晴らしい作品です。
- アクションシーンの迫力はもちろん、何気ない日常の尊さを痛感させられる深いテーマ性を持った漫画です。不穏な追手の影が常にチラつく緊迫感と、ほのぼのした生活のバランスが絶妙で最高に面白いです!
悪い所
- 主人公の過去が重すぎて、日常コメディとして笑っていいのか戸惑う場面が多々あります。平和な生活の裏で常にテロ組織の影がちらつくため、読んでいて心が休まらず、精神的に少し疲れてしまいました。
- 戦闘能力が高すぎる主人公が無双する展開はスカッとしますが、平和な日本社会では少し浮いてしまっていてリアリティに欠けます。もう少し周囲の人間が彼の異常性に気づいても良いのではないかと感じます。
- シリアスとギャグの落差が激しく、どの感情で読めばいいのか迷子になる時があります。アクション漫画として読みたいのか、日常ほのぼの漫画として読みたいのか、少し中途半端に感じてしまいました。
- 組織からの刺客が次々とやってくる展開が少しワンパターンに感じます。せっかく平和な日常を歩み始めたのだから、もう少し彼が周囲の人と絆を深める穏やかなエピソードをじっくりと読みたかったです。
- 主人公の内面が子供のままなので、大人のキャラクターとしての色気に欠ける部分があります。ハードボイルドな世界観を期待して読むと、彼の性格が少し無邪気すぎて、感情移入しづらいかもしれません。





