レビュー著者: 漫画よしあし
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私を喰べたい、ひとでなし の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 「食べる側」と「食べられる側」という関係性なのに、お互いへの執着がもはや愛にしか見えない、そのいびつで仄暗い百合の表現がたまらなく性癖に刺さります。
- 苗川先生の作画が本当に美しく、特に海や水の表現、そしてキャラクターの儚げな表情が芸術的です。ホラーのような不気味さの中に、目を奪われるような美しさがあります。
- 比名子の抱える過去のトラウマが非常に重く、彼女の「死にたい」という痛切な思いに共感してしまい、読んでいて胸が締め付けられました。心理描写が秀逸です。
- ただの恋愛漫画ではなく、街に潜む他の妖怪(人外)たちとの戦闘やミステリー要素もしっかりしていて、ストーリー展開の予測がつかず引き込まれます。
- 汐が比名子を「一番美味しい状態にするため」に彼女に生きる希望を与えようとする、その矛盾した行動に人外ならではの歪な優しさを感じてゾクゾクします。
悪い所
- 比名子の希死念慮(死にたい気持ち)の描写が非常に生々しく、全体的に空気が重く暗いため、精神的に落ち込んでいる時に読むと引っ張られて辛くなる危険性があります。
- 「喰う・喰われる」というカニバリズムを連想させるテーマが根底にあるため、そういったグロテスクな概念や流血描写に強い嫌悪感がある人にはおすすめできません。
- 二人の関係性の進展が非常にゆっくりで、心理的な探り合いや内省のシーンが多いため、テンポの良いアクションや明るい展開を好む人には退屈に感じられるかもしれません。
- 妖怪や人外のルールの説明が断片的で、世界観の全貌が少し見えにくいため、「なぜこの状況になっているのか」という理屈の部分でモヤモヤする時期があります。
- 百合作品としての感情のベクトルが非常に重く歪んでいるため、爽やかで明るい「女の子同士の友情や恋愛」を求めている読者の期待には全く応えられない作品です。





