レビュー著者: 漫画よしあし
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カグラバチ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
カグラバチ
著者: 芝田優作
連載: 週刊少年ジャンプ
評価: 8.7/10
あらすじ
刀匠・六平国重の息子、チヒロ。父を殺し、伝説の「妖刀」を奪った組織「毘灼」への復讐を誓った彼は、自らも一振りの妖刀を手に戦場へと身を投じる。外薗健が圧倒的な画力で放つ、復讐の剣戟アクション。金魚のエフェクトが舞う独創的な演出と、冷徹に悪を斬るチヒロのハードボイルドな姿。近年のジャンプに類を見ない、硬派で重厚なダークファンタジーが今、鮮烈に開幕する!
良い所
- 圧倒的な画力で描かれる剣戟アクションに、一瞬で心を奪われました。刀を振るう際の金魚が舞うような独創的なエフェクトが視覚的に美しく、構図のセンスも抜群で、1ページごとに「魅せる」演出が凄まじいです。
- 主人公チヒロの、父への想いを胸に秘めたハードボイルドな佇まいが最高に格好良い。無駄な喋りを排し、冷徹に復讐を遂行していく姿には往年の時代劇のような渋さがあり、近年の漫画にはない重厚感を感じます。
- 復讐という明確な目的があるため、物語のテンポが非常に良く、中だるみを感じさせません。シリアスな空気の中に、時折挟まれる仲間とのコミカルなやり取りが良いスパイスになっていて、最後まで一気に読めます。
- 妖刀の能力「玄力」の具現化が、キャラクターごとに異なる独特なタッチで表現されていて面白い。ただのパワーバトルではなく、視覚的な楽しさと戦略性が両立したバトル描写は、ジャンプの新時代を感じさせます。
- 復讐の過程で描かれる「人の命の重さと、奪うことの覚悟」が丁寧に扱われています。チヒロがただの殺人鬼にならず、信念を持って戦う姿には深い説得力があり、ダークファンタジーとしての品格を感じる傑作です。
悪い所
- 物語の展開が性急すぎると感じる場面がありました。強敵だと思っていたキャラがあっさりと退場してしまったり、重要なエピソードが短くまとめられたりしていて、もう少しじっくりと世界観に浸りたかったです。
- ダークで硬派な雰囲気は素晴らしいですが、既視感のあるジャンプ作品の影響を強く感じてしまう部分がありました。設定やバトルの演出など、この作品ならではの「もう一歩踏み込んだオリジナリティ」が欲しかったです。
- チヒロ以外のサブキャラクターの掘り下げが少し不足しているように見えました。仲間たちにも魅力的な設定がありそうなだけに、彼らの背景や成長をもっと時間をかけて描写してほしかったなというのが本音です。
- 復讐というテーマゆえに、物語が常に重苦しい空気感を纏っていて、読んでいて疲れてしまうことがありました。コメディ要素も少しありますが、もう少し全体を通しての光や救いを感じさせる場面が欲しかったです。
- 妖刀という強力すぎる武器が前提のバトルなので、能力の相性や工夫による逆転劇が少し物足りなく感じました。圧倒的な力で押し切る爽快感はありますが、もっと緻密な心理戦や戦術を見せてほしかったなと感じます。



