レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
百合にはさまる男は死ねばいい!? の感想と評価(良いところ、悪いところ)
百合にはさまる男は死ねばいい!?
著者: 蓬餅
連載: LINEマンガ
評価: 8.7/10
あらすじ
南陵高校吹奏楽部。不動のトランペット1stの座を守り続けてきた片桐千早の前に、圧倒的な才能を持つ転校生・相川響が現れる。自分の居場所を脅かす響に激しい嫉妬を抱く千早だったが、真正面から自分と音楽に向き合う響のひたむきさに、次第に名前のつけられない巨大な感情を募らせていく。部活動における実力の格差、練習の厳しさ、そして少女たちの間で渦巻く独占欲と羨望。過激なタイトルとは裏腹に、繊細な心理描写と圧倒的な熱量で描かれる本格吹奏楽・青春群像劇。互いの魂を削り合い、唯一無二の音色を奏でる二人の「激重」な関係性から目が離せない!
良い所
- 千早と響の間で交錯する名付けられない巨大な感情の描写が凄まじくて、ページをめくる手が止まりませんでした。単なる百合ではなく、魂を削り合うような熱量に何度も心を揺さぶられた最高の傑作です!
- 本格的な吹奏楽の描写に驚きました。部活内の実力格差やコンクールへの執念がリアルで、音楽漫画としての完成度が極めて高い。二人の演奏シーンは音が聴こえてくるような迫力があり、圧倒されました。
- 蓬餅先生の美麗な作画と豊かな表情が本当に素晴らしいです。特に嫉妬に狂う千早の瞳や、響のミステリアスな魅力にすっかり惹き込まれました。視覚的な満足度も抜群で、ずっと手元に置いておきたい一冊。
- タイトルで損をしている気がしますが、中身は極めて誠実で重厚な人間ドラマです。思春期の少女たちが抱えるヒリヒリとした独占欲が丁寧に描かれていて、胸が苦しくなるほど共感。読む価値のある名作です。
- 恋愛感情だけでは片付けられない二人だけの特別な絆に、最後は涙が溢れました。ライバルでありながらもお互いを誰よりも深く求めてしまう、そんな「激重」な関係性が好きな人には絶対に刺さると思います!
悪い所
- 正直、ネットミーム的な過激なタイトルには抵抗がありました。内容は素晴らしいのに、このタイトルのせいで周りにお勧めしにくいのが凄く勿体ない。もう少し手に取りやすいタイトルなら良かったのに。
- 家庭環境や才能への劣等感など、シリアスで重苦しい展開が続く時期は読んでいて精神的にかなり疲れました。救いのない描写も多くて体力を削られるので、心が元気な時じゃないと読み進めるのがしんどい作品です。
- 心理描写を深く掘り下げる分、物語の進行が非常にゆっくりしていて、サクサク展開してほしい私には少し焦れったく感じました。二人の関係がなかなか決定的に変わらないので、途中で少しマンネリ感もあります。
- タイトルに反して(あるいはタイトル通りに)男性キャラが重要な役割で登場するため、男を完全に排除した純粋な百合世界を求めていた私には、少しノイズに感じてしまう場面があって入り込めませんでした。
- キャラクターたちの感情のベクトルが複雑すぎて、一度読んだだけでは理解が追いつかないことがありました。登場人物それぞれの思惑が絡み合い、群像劇としての難易度が高くて、少し置いてけぼりな気分です。




