レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
のだめカンタービレ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
のだめカンタービレ
完結著者: 二ノ宮知子
連載: Kiss
ジャンル: 音楽/ヒューマンドラマ/青春/ラブコメ/女性漫画
評価: 9.3/10
あらすじ
ピアノ科に通いながら本気で指揮者を目指す千秋真一は、飛行機にも船にも乗れない体で、行きたい場所へ行けないまま腐りかけていた。そんな彼の耳に届いたのは、隣室から流れる型破りなベートーヴェン。ゴミに埋もれた部屋に住む後輩・のだめの音だった。落ちこぼれ揃いのオーケストラを率いる日々、初めて味わう合奏の歓び、そして海を渡った先で待っていた才能の壁。笑い転げてページをめくっていたはずが、いつのまにか胸を締めつけられていく。好きな人を追いかけていた彼女が、やがて自分の音を探して独り立ちしていく。音を鳴らすことの楽しさと怖さを、まるごと抱えて走り抜けるクラシックコメディの金字塔!
この作品が載っている特集
読む前に確認したい相性
向いている人
- 絵と文字だけのはずなのに、演奏の熱がそのまま押し寄せてくる感覚をじっくり味わいたい人
- コメディとして読み始めたのに、進むほど本気の重さがのしかかってくる展開にめっぽう弱い人
- 好きな人を追いかけて始めたことが、いつのまにか自分自身の道に変わっていく物語を読みたい人
向いていない人
- だらしない生活ぶりのギャグが何度も繰り返されるため、不潔さを笑いに変える描写を受けつけない人
- 恋の甘い場面より演奏の話に紙幅が割かれるので、二人がくっつく過程をじっくり味わいたい人
- 主役の風変わりな言動が物語を引っぱるので、騒がしいノリが最後まで続くとしんどくなる人
良い感想・レビュー
- 落ち込んでいた時期に笑える漫画を探して読み始めたのに、音が聞こえないはずの紙の上から演奏が立ち上がってきて驚きました。留学が決まって終わりではなく、そこからが本番として描かれる構成にも唸りました。
- 好きな先輩を追いかけるだけの物語かと思っていたら、追いかけていた側がいつのまにか追い越していく話でした。海を渡ってからの長くて苦しい時期があるからこそ、あの逆転が効いてきます。
- 近寄りがたい先輩が変わり者の後輩に惹かれていく理由は、才能だけではないと読むうちにわかってきます。まっすぐな好意をぶつけられて初めてほどける心の動きが丁寧で、胸に残りました。
- 読み終えてから最初のほうを読み返すと、散らかった部屋で鳴っていた一曲の意味がまるで違って見えます。腹を抱えて笑った後に、じんわり温かいものが残る、そんな読み心地でした。
- 終わり方が良かったです。大きな事件で盛り上げるでもなく、軽やかなまま芯を突いてきました。燃え尽きた本人が自分の言葉で立ち直る幕引きは、何かをやり切って空っぽになった覚えのある身にしみます。
悪い感想・レビュー
- 指導の場面で何度も飛び出す決まり文句が、どうにも納得できませんでした。楽譜どおりに弾けばまず起きないはずのミスなのに、と引っかかります。楽器をやってきた人ほど気になる誇張かもしれません。
- 終盤で大きな仕掛けが来ると身構えていたら、きれいにまとまって幕が下りたので拍子抜けしました。脇の人たちのその後がまるごと置き去りなのも心残りで、もう少し見せてほしかったです。
- ヒロインの暮らしぶりの場面だけは、笑うより先に気分が悪くなりました。汚さの描写がやりすぎで受けつけない場面が何度も出てきますし、振り回される相手にも同情してしまいます。
- 二人が高め合う関係は好きなのですが、恋の場面はもっと欲しかったというのが正直なところです。音楽の話が濃くなるほど甘さは控えめになっていくので、そこ目当てで読むと肩透かしを食らいます。
- ヒロインの奇行がだんだんきつくなり、途中で読むのをやめてしまいました。話そのものは面白いだけに、にぎやかさが度を越すと読むほうが疲れてくるのが惜しいです。合う合わないははっきり出ます。










