レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~
マークダウンで表示著者: 高橋ツトム
連載: ビッグコミック
評価: 8.8/10
あらすじ
小田原で薬局を営む53歳の平凡な薬剤師・曽根建男。若い妻が妊娠するも、自身は重度のEDで一度も下半身が機能したことがないという、絶望的な矛盾に直面する。そんな中、偶然手に入れた謎の薬で初めて『男としての自信』を取り戻した建男は、その違法薬物を自らの手で再現(合成)することを決意する!世界を変えるハイパーED薬『ジャンボマックス』の誕生。一人の薬剤師が、天才的な調合技術と執念を武器に、ヤクザや半グレ、警察が蠢く裏社会の闇へと堕ちていく。和製ブレイキング・バッドと絶賛される、高橋ツトムが放つ剥き出しのインクの熱量と狂気あふれるクライムサスペンスの最高峰!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 中年男が技術と頭脳を武器に裏社会で成り上がる、和製クライムサスペンスの緊張感を味わいたい人
- 追い詰められた主人公が次第に狂気を帯びていく、精神の変容プロセスをじっくりと追いたい人
- 敵か味方か読めない協力者たちとの、裏切りと駆け引きが渦巻く心理戦のスリルに引き込まれたい人
向いていない人
- 拷問やリンチなど、凄惨で容赦のない暴力描写が続く重い作風が苦手だと感じてしまう人
- 登場人物が互いに裏切り合う悪人ばかりで、感情移入できる善良な存在を物語に求める人
- 緻密なリアリティを重視し、技術描写に多少のご都合主義が混じると気になってしまう人
良い感想・レビュー
- 俺、冴えない53歳の中年薬剤師・建男が、自らの調合技術を武器に裏社会のヤクザや怪物どもを出し抜いていく姿にまじでゾクゾクした。和製ブレイキング・バッドと評されるのも納得の緊迫感に痺れる。
- EDという男の生々しいコンプレックスから始まり、そこから巨額の闇マネーを大犯罪へと堕ちていく設定が斬新。建男が自分の「技術」にプライドを持って狂っていくプロセスが本当に恐ろしくて面白い。
- 高橋ツトム先生の筆ペンによる力強く掠れた唯一無二の劇画タッチが、この冷酷で汚れた犯罪劇の空気感と完璧にマッチしている。インクの飛び散りや血の生々しさ、背景の闇の深さに圧倒されっぱなしだ。
- 建男を支える鹿子や須磨岡といった、敵か味方か分からない一癖も二癖もある相棒たちとの心理戦が最高。誰を信じていいか分からない泥沼の状況下で、ギリギリの綱渡りを続けるサスペンスのキレが素晴らしい。
- ただの麻薬密造じゃない。「男としての尊厳を取り戻す」という建男の偏執的でピュアな狂気が物語の根底にあるから、犯罪者なのにどこか共感して応援したくなる。中年の悲哀と凄みが詰まった傑作。
悪い感想・レビュー
- ヤクザや半グレたちの拷問やリンチなど、あまりに凄惨で直接的なバイオレンス描写が多すぎて、私は読んでいて正直かなり胃が痛くなった。ダークで過激な表現が苦手な人には、トラウマになりかねないキツさ。
- ただの町薬局の薬剤師だった建男が、一度飲んだだけの薬の成分を100%分析して再現ドラッグを作れてしまう展開は、冷静に考えると少しファンタジーすぎて冷めてしまった。もう少しリアリティが欲しい。
- 登場人物が全員金と欲望のために裏切り合う悪党ばかりなので、読んでいて感情の逃げ場がなく息が詰まる。誰一人として報われないドロドロした閉塞感が強いため、スカッとするカタルシスを求める僕には合わない。
- 関西での抗争あたりから、新キャラや複数のヤクザの派閥が増えすぎて、誰が誰と組んで誰を狙っているのか、一回読んだだけでは関係性を整理できなくなった。複雑なプロットについていくのに少し疲れてしまう。
- 建男の「美しい妻を奪われたくない」という動機やコンプレックスの描写が少し偏執的で不気味に感じてしまい、主人公としてどうしても感情移入しきれなかった。彼の独善的な行動にイライラする瞬間がある。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
俺、冴えない53歳の中年薬剤師・建男が、自らの調合技術を武器に裏社会のヤクザや怪物どもを出し抜いていく姿にまじでゾクゾクした。和製ブレイキング・バッドと評されるのも納得の緊迫感に痺れる。
ヤクザや半グレたちの拷問やリンチなど、あまりに凄惨で直接的なバイオレンス描写が多すぎて、私は読んでいて正直かなり胃が痛くなった。ダークで過激な表現が苦手な人には、トラウマになりかねないキツさ。
EDという男の生々しいコンプレックスから始まり、そこから巨額の闇マネーを大犯罪へと堕ちていく設定が斬新。建男が自分の「技術」にプライドを持って狂っていくプロセスが本当に恐ろしくて面白い。
ただの町薬局の薬剤師だった建男が、一度飲んだだけの薬の成分を100%分析して再現ドラッグを作れてしまう展開は、冷静に考えると少しファンタジーすぎて冷めてしまった。もう少しリアリティが欲しい。
高橋ツトム先生の筆ペンによる力強く掠れた唯一無二の劇画タッチが、この冷酷で汚れた犯罪劇の空気感と完璧にマッチしている。インクの飛び散りや血の生々しさ、背景の闇の深さに圧倒されっぱなしだ。
登場人物が全員金と欲望のために裏切り合う悪党ばかりなので、読んでいて感情の逃げ場がなく息が詰まる。誰一人として報われないドロドロした閉塞感が強いため、スカッとするカタルシスを求める僕には合わない。
建男を支える鹿子や須磨岡といった、敵か味方か分からない一癖も二癖もある相棒たちとの心理戦が最高。誰を信じていいか分からない泥沼の状況下で、ギリギリの綱渡りを続けるサスペンスのキレが素晴らしい。
関西での抗争あたりから、新キャラや複数のヤクザの派閥が増えすぎて、誰が誰と組んで誰を狙っているのか、一回読んだだけでは関係性を整理できなくなった。複雑なプロットについていくのに少し疲れてしまう。
ただの麻薬密造じゃない。「男としての尊厳を取り戻す」という建男の偏執的でピュアな狂気が物語の根底にあるから、犯罪者なのにどこか共感して応援したくなる。中年の悲哀と凄みが詰まった傑作。
建男の「美しい妻を奪われたくない」という動機やコンプレックスの描写が少し偏執的で不気味に感じてしまい、主人公としてどうしても感情移入しきれなかった。彼の独善的な行動にイライラする瞬間がある。



