レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
乙嫁語り の感想と評価(良いところ、悪いところ)
乙嫁語り
著者: 森薫
連載: Fellows!/ハルタ/青騎士
評価: 9.8/10
あらすじ
19世紀後半、中央アジアの広大な大地。20歳のたくましく美しい遊牧民の娘・アミルが、8歳年下の12歳の少年・カルルクのもとへ嫁ぐことから始まる夫婦と一族の大河ロマン。民族衣装の精緻な刺繍、絨毯の幾何学模様、家々の木彫り細工など、トーンを使わず執念の手描きで埋め尽くされた超絶的な作画はもはや美術品の域。平焼きパンの香ばしい匂いや羊の解体といった衣食住のリアルを、森薫の底知れぬ熱量と愛で描き出す。イギリス人旅行者スミスの旅路を追いながら、各地の魅力的な「乙嫁」たちの生と愛を紡ぎ、激動のユーラシア大陸を生き抜く人々の魂を極限のクオリティで描いた至高の歴史絵巻!
読む前に確認したい相性
向いている人
- トーンに頼らない執念の手描きで埋め尽くされた民族衣装や絨毯の美しさに見惚れたい人
- 19世紀中央アジアの暮らしを旅するような濃密な文化描写を味わいたい人
- 凛とした女性の強さと不器用な夫婦の機微を丁寧に描く物語が好きな人
向いていない人
- 一貫した山場と緊迫したメインストーリーで一気に読み進めたい人
- 刊行ペースの遅さや、画集を眺めるような緩やかな進行が気になる人
- 現代の価値観と異なる時代の風習に、強い違和感を抱きやすい人
良い感想・レビュー
- 私はアミルの弓を引いて馬を駆る野生的なカッコよさと、8歳年下のカルルクを甲斐甲斐しく愛するギャップに悶えた。お互いを純粋に思いやる二人の姿を見ているだけで、心の底から心が浄化されていく感覚になる。
- ページを開いた瞬間、トーンに頼らず手描きでビッシリ埋め尽くされた民族衣装の刺繍や絨毯の美しさに息をのんだ。もはや漫画を超えて、一コマ一コマが美術品のような、森薫先生の執念の作画が凄すぎる。
- 平焼きパンの作り方や羊の解体シーンなど、19世紀中央アジアの息をのむほどリアルな生活描写が素晴らしい。スミスの旅を通して、自分がシルクロードの風に吹かれているような、最高のカルチャー旅行が味わえる。
- 勝気だけど不器用で、刺繍が下手な自分に悩むパリヤさんの不器用すぎる恋模様と乙女な葛藤がまじで愛おしい。アミル以外の「乙嫁」たちも一人ひとりが個性豊かで、全員の続きが気になって仕方がなかった。
- 登場人物たちが「自然の過酷さや一族のしきたり」を受け入れながら、泥臭くも懸命に一日一日を生きる姿に魂が震えた。綺麗事だけじゃない、命を紡いでいく人間の力強さと美しさが、静かに、優しく胸に響いてくる。
悪い感想・レビュー
- 作画の細かさに気が遠くなるほど時間がかかるせいか、1巻が出るペースが非常に遅くて、ストーリーがなかなか進まないのが少しじれったい。物語の先を追うというより、画集を眺めているような錯覚に陥る。
- 12歳の少年と20歳の女性の結婚や、一族の存続のために少女が強制的に嫁がされるなど、歴史的な事実とはいえ現代の倫理観だと少しモヤモヤする風習がある。歴史モノだと割り切れない人には少しきついかも。
- 登場人物がみんな美男美女で、目がパッチリした似たような超絶美形として描かれているため、登場人物が増えてくると誰が誰だか顔の判別がつきにくい。大勢が集まるシーンだと、衣装で見分けるのが精一杯だった。
- あくまでスミスがシルクロードを旅するエピソードの集合体なので、物語としての劇的な山場や、一貫した緊迫感のあるメインストーリーを求めている人には、少し平坦というか、刺激が足りなくて退屈に感じる。
- アミルとカルルクの年の差設定が、時々「ショタおね」的なファンタジーに見えて冷めてしまう瞬間があった。カルルクが良い子すぎるがゆえに、生身の夫婦の泥臭い関係というより、おままごとを見ている気分になる。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
私はアミルの弓を引いて馬を駆る野生的なカッコよさと、8歳年下のカルルクを甲斐甲斐しく愛するギャップに悶えた。お互いを純粋に思いやる二人の姿を見ているだけで、心の底から心が浄化されていく感覚になる。
作画の細かさに気が遠くなるほど時間がかかるせいか、1巻が出るペースが非常に遅くて、ストーリーがなかなか進まないのが少しじれったい。物語の先を追うというより、画集を眺めているような錯覚に陥る。
ページを開いた瞬間、トーンに頼らず手描きでビッシリ埋め尽くされた民族衣装の刺繍や絨毯の美しさに息をのんだ。もはや漫画を超えて、一コマ一コマが美術品のような、森薫先生の執念の作画が凄すぎる。
12歳の少年と20歳の女性の結婚や、一族の存続のために少女が強制的に嫁がされるなど、歴史的な事実とはいえ現代の倫理観だと少しモヤモヤする風習がある。歴史モノだと割り切れない人には少しきついかも。
平焼きパンの作り方や羊の解体シーンなど、19世紀中央アジアの息をのむほどリアルな生活描写が素晴らしい。スミスの旅を通して、自分がシルクロードの風に吹かれているような、最高のカルチャー旅行が味わえる。
登場人物がみんな美男美女で、目がパッチリした似たような超絶美形として描かれているため、登場人物が増えてくると誰が誰だか顔の判別がつきにくい。大勢が集まるシーンだと、衣装で見分けるのが精一杯だった。
勝気だけど不器用で、刺繍が下手な自分に悩むパリヤさんの不器用すぎる恋模様と乙女な葛藤がまじで愛おしい。アミル以外の「乙嫁」たちも一人ひとりが個性豊かで、全員の続きが気になって仕方がなかった。
あくまでスミスがシルクロードを旅するエピソードの集合体なので、物語としての劇的な山場や、一貫した緊迫感のあるメインストーリーを求めている人には、少し平坦というか、刺激が足りなくて退屈に感じる。
登場人物たちが「自然の過酷さや一族のしきたり」を受け入れながら、泥臭くも懸命に一日一日を生きる姿に魂が震えた。綺麗事だけじゃない、命を紡いでいく人間の力強さと美しさが、静かに、優しく胸に響いてくる。
アミルとカルルクの年の差設定が、時々「ショタおね」的なファンタジーに見えて冷めてしまう瞬間があった。カルルクが良い子すぎるがゆえに、生身の夫婦の泥臭い関係というより、おままごとを見ている気分になる。





