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最終更新日:

軍靴のバルツァー の感想と評価(良いところ、悪いところ)

軍靴のバルツァー

軍靴のバルツァー

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著者: 中島三千恒

連載: 別冊少年マガジン/月刊コミックバンチ

ジャンル: 歴史アクションサスペンス

評価: 9.1/10

あらすじ

19世紀後半、近代化を急ぐ架空の帝国主義ヨーロッパ。軍事強国ヴァイセンの若きエリート将校ベルント・バルツァーは、同盟国である平和ボケした隣国バーゼルラントの士官学校へ軍事顧問として左遷される。最初は反発していた生徒たちを鍛え直し、軍隊の近代化に着手するバルツァー。だが、背後で蠢く帝国主義の野望と市民革命の嵐が、まだ少年である教え子たちを凄惨な『本物の戦争』へと引きずり込んでいく!手描きの線でビッシリと描き込まれたマスケット銃や大砲、蒸気機関などの緻密なミリタリー描写。友情と国家の策略、そしてリープクネヒトとの宿命の知略戦を描く、架空近代戦記の最高峰!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 弾道計算や兵装の変遷まで描く、緻密なミリタリー描写を堪能したい人
  • 平和ボけした若者が実戦を経て冷徹に成長する過程を見たい人
  • 国家間の駆け引きや暗殺工作の政治劇が好きな人

向いていない人

  • 穏やかな学園ものの空気が、戦争劇に変わると辛く感じる人
  • 複数国家の利権や相関図を追うのが面倒に感じる人
  • 主人公が常に勝ち続ける痛快な展開を期待している人

良い感想・レビュー

  1. 俺、マスケット銃から後装式ライフルへの移行期における、大砲の弾道計算や気球の偵察といった緻密なミリタリー描写にガチでシビれた。魔法や超能力のない、本物の科学と戦術の知略戦が本当に面白い。
  2. 平和ボケしていたディーターやパウルといった士官学校の生徒たちが、実戦を重ねて冷徹な軍人へ成長していく過酷なドラマにボロ泣きした。少年たちの無邪気さが失われていく姿が、あまりに切なくて尊い。
  3. 軍事だけでなく、国家間の不平等条約や王位継承、憲法制定を巡る宮廷内の暗殺工作や政治サスペンスの深みが凄まじい。敵役であるリープクネヒトの、冷徹だけど確固たる信念を持つカリスマ性が抜群に魅力的。
  4. 新潮社での打ち切りの危機から、講談社の別冊少年マガジンへ異例の電撃移籍で復活してくれた時は本気で泣きそうになった!20巻まで進んで、バルツァーたちが最終決戦へ向かう姿を見届けられて本当に幸せ。
  5. 中島先生の1コマ1コマにインクがビッシリと入った、手描きにこだわり抜いた重厚な軍服や機械の描き込みの説得力が凄すぎる。画面から硝煙の臭いや、兵士たちの泥臭い息遣いが伝わってくるような圧倒的な画力。

悪い感想・レビュー

  1. 初期ののどかな学園ライフから、後半の教え子が死に、ディーターがモルヒネに依存するような凄惨な戦争と革命のドロドロに変貌したのが辛い。初期の、みんなでミリタリー雑学を楽しんでいた空気感が恋しい。
  2. 非常に精密な考証を伴う作品なだけに、単行本が出るスパンが約10ヶ月近く空くような刊行ペースの遅さが正直しんどい。毎巻ストーリーの間隔が空きすぎて、前巻で何をしていたか忘れてしまうのが不満。
  3. ヴァイセンやホルベックなど複数の架空の国家の利権や不平等条約、宮廷の相関図が複雑すぎて、一度読んだだけでは整理が追いつかない。新刊のたびに登場人物の関係をWikiで確認が必要になる。
  4. 移籍してからの後半の展開が、いくつかの局面の時間経過を急ぎ足で端折っているように感じられて少しモヤモヤした。もっとバルツァーと生徒たちの作戦立案や、地道な訓練パートをじっくり見たかった。
  5. バルツァーがどれほど知略を巡らせても、リープクネヒトの圧倒的な悪意と事前の仕込みによってことごとく敗北させられる展開が多くて少しストレスがたまる。もう少しバルツァーのスカッとする無双が見たい。

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