レビュー著者: 漫画よしあし
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静かなるドン の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 「昼はダメ男、夜はカリスマ総長」というギャップの演出が神がかっていて、静也がサングラスをかける瞬間の、あのゾクゾクするような格好良さには、全読者が酔いしれるはずです!まさにヒーロー漫画の王道です。
- 極道の世界の抗争というハードな物語の中に、シュールすぎるギャグと下ネタが完璧なタイミングで挟まる構成が本当に凄い。爆笑した直後に、男の意地を見せる熱いシーンで泣かされる。この情緒の揺さぶりは唯一無二です。
- 静也の「ヤクザをなくしたい」という真っ直ぐな信念が、少しずつ周囲の荒くれ者たちの心を変えていく過程に、深い感動を覚えました。力ではなく、誠実さで人を動かしていく三代目の姿に、真のリーダー像を見ました。
- 秋野さんへの報われない恋路と、正体を隠し続ける切なさ。彼女を守るために静也が裏で見せる孤高の戦いには、何度も目頭が熱くなりました。二人の幸せを祈らずにはいられない、壮大な純愛物語でもあります。
- 全108巻という圧倒的なボリュームですが、鳴戸や生倉といった脇役たちの強烈なキャラクター描写のおかげで、最後まで一瞬も飽きることなく読み切れました。まさに戦後日本漫画界が誇る、巨大な金字塔だと思います。
悪い所
- 108巻という巻数の多さは、読み始めるのにかなりの覚悟が必要です。一部の章では少し物語がループしているように感じる時期もあり、もう少しコンパクトにまとめられたのでは、という贅沢な不満を抱くことも。
- 昭和のノリの下ネタや、女性に対する価値観がかなり色濃く出ているため、現代のコンプライアンス感覚で読むと、少し不快感や戸惑いを感じてしまう場面があるかもしれません。時代の空気感を理解して読む必要があります。
- 物語の中盤、抗争が激化して救いのない展開が続く時期があり、初期のコメディ要素を期待していると、精神的に少ししんどくなるかもしれません。かなりバイオレンスな描写も多いので、読む人を選びます。
- 静也の正体がバレそうになって回避する、というパターンの繰り返しに、中だるみを感じてしまうことがありました。もう少し早く物語を動かしてほしい!と、じれったい思いをしながら読み進めた記憶があります。
- 絵柄が独特な劇画調なので、最近のスタイリッシュな漫画に慣れている人には、最初は古臭く感じられてしまうかも。でも、一度読み始めればその熱量に圧倒されて気にならなくなるのですが、導入のハードル。




