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アカギ-闇に降り立った天才 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 初巻を読み始めたとき、麻雀ルールをよく知らなくても赤木の圧倒的な存在感と駆け引きの緊張感にあっという間に引き込まれた。
- 赤木しげるの常人離れした直感と勝負勘、人間の欲や恐怖をこれでもかと描く心理戦が本当に濃厚で、ただのギャンブル漫画ではない深い味わいを感じる。
- 鷲巣との対決が進むにつれて徐々に呼吸を合わせるような緊迫感が高まり、一局一局にかける重みが伝わってくる。ドラマよりも勝負そのものに胸が熱くなる。
- 福本伸行の語り口とコマ運びがとても巧みで、一見説明的になりそうな勝負前後の準備や思考を台詞と構図で自然に深めていくので没入感が高い。
- 長期連載でありながらキャラクターの魅力が薄れることなく、赤木しげるという“天才”の成長と狂気の間を揺れる姿が一貫して描かれていて、最後まで読み応えがある。
悪い所
- 鷲巣麻雀編に入ってから一打一打の展開が非常に遅く感じて、途中で読むペースが落ちた部分が多い。
- 配牌が配られる描写や決着までの時間のかかる勝負があまりにも長くて、話が引き延ばされているような印象を受ける場面がある。
- 赤木の本質的な動機や勝負の意味が極限になるほど抽象的になって、感情移入が難しい局面が出てくることがあった。
- 終盤の結末について、読者としてはもっと鮮やかな逆転や明確な勝利を期待していたので、若干消化不良にも感じる部分があった。
- 麻雀そのもののルールや戦術の細かい部分が多く、麻雀初心者にとっては用語や手順の把握が追いつかず、読むのに苦労することがある。