レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

陰の実力者になりたくて! の感想と評価(良いところ、悪いところ)

陰の実力者になりたくて!

陰の実力者になりたくて!

著者: 逢沢大介坂野杏梨

連載: 月刊コンプエース

ジャンル: 異世界転生ファンタジーアクション

評価: 8.2/10

あらすじ

主人公・シドーは「陰の支配者」というロールプレイに憧れ続けた転生者。前世で磨いた剣技と魔法を礎に、異世界で誰もが羨む最強の力を手に入れながらも、あくまで「縁の下の力持ち」として裏から暗躍することを望む。影の組織「シャドウガーデン」を結成し、魔族信仰の邪悪な組織を秘密裏に壊滅させていく。しかし彼の行動はことごとく現実の陰謀と一致し、本人が全く気づかないうちに真の「陰の実力者」として世界の均衡を動かしていく。シリアスな世界設定とシドーの無自覚ギャグが絶妙に絡み合う、異世界転生アクション漫画。アニメ2期も放送された累計650万部超のメガヒット作。

良い所

  • ダークヒーローな主人公シドーが周囲の全思惑を完全無視で圧倒的に活躍する爽快感が全編を貫いており、読み始めたら止まらない強い中毒性を持つ作品だ。
  • シドーが本気でロールプレイをしているだけなのに、それが現実の陰謀と偶然一致し続けるというメタギャグ的な構造が秀逸で、独特のクセになる面白さがある。
  • シャドウガーデンのメンバーや王族・騎士など周囲のキャラクターがシドーを深く信頼する熱量が伝わってきて、彼らの視点から描かれる章も読みごたえがある。
  • 担当漫画家・坂野杏梨のキャラクター作画が魅力的で、シドーの圧倒的な戦闘シーンと仲間たちの豊かな表情描写がテンションの高さと感情移入を両立させている。
  • 「陰の実力者になりたいだけで本当に陰の実力者だった」という逆説的なコンセプトが全巻を通じて一貫しており、シリーズを重ねても作品の芯がブレない点が好印象だ。

悪い所

  • 主人公が最初から最強すぎて緊張感が生まれにくく、バトルの結末がほぼ読める展開が続くため、手に汗握るスリルや逆転劇を期待する読者には物足りない。
  • シドーの主観が常に「ロールプレイ」モードで固定されているため深い内面描写に乏しく、主人公への共感・感情移入が難しいと感じる読者も一定数いる。
  • ギャグとシリアスが頻繁に混在する構造上、真剣に感情移入して読むには向かず、そのノリに慣れないうちは作品世界への没入感を得にくい場面も少なくない。
  • 転生チートや「俺TUEEE」的な無双展開が主軸のため、同ジャンルを多く読んでいる読者には既視感のあるテンプレートと重なって新鮮味を感じにくい面もある。
  • 原作ライトノベルの膨大な設定や細かい伏線がコミカライズ版では省略・圧縮されているため、原作を先に読んだファンには情報量の少なさが物足りなく映ることがある。

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