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陰の実力者になりたくて! の感想と評価(良いところ、悪いところ)

陰の実力者になりたくて!

陰の実力者になりたくて!

著者: 逢沢大介/坂野杏梨

連載: 月刊コンプエース

ギャグコメディ異世界転生ファンタジーシリアス

評価: 8.8/10

あらすじ

幼い頃から“陰ながら実力を示す陰の実力者”になることを憧れていた少年、シド・カゲノー。彼は日常生活ではモブキャラクターを演じ、目立たない存在を装うが、その裏で“シャドウガーデン”という組織を率いて、闇の教団ディアボロスと戦うことになる。しかし、シド自身はあくまで「設定」として陰の実力者を演じたいだけで、現実との齟齬や勘違い、仲間との関係のズレなどがユーモアと共に描かれていく、勘違いシリアスコメディ。

良い所

  • キャラクターが立っていて、特にシドの“設定厨二病”っぷりが振り切れていて笑えるし、仲間たちのフォロー・ツッコミとの掛け合いが絶妙で何度も声を出して笑った。
  • 異世界転生ものとしてありがちな物語だと思っていたけど、主人公のモブ演出や“陰の実力者”として振舞うための小さな努力が細かく描写されていて、読んでいて応援したくなる。
  • 世界観が作り込まれていて、教団や異種族・魔法などファンタジー要素がしっかりしているから、ただのギャグコメディで終わらず重みのある局面もあって物語が深い。
  • 作画が綺麗で、特にキャラクターの感情表現や陰影のつけ方が良く、シドがモブとして振る舞っている場面と“陰の実力者”としての顔のギャップが視覚的にも楽しい。
  • 物語のテンポが良く、誤解や勘違い展開が多いけどだれずに進むし、巻を重ねるごとにキャラクターの関係性が複雑になってくるあたりも見逃せない。

悪い所

  • “陰の実力者になる”という設定が強すぎて、シドの勘違いや演出が過剰に感じるときがあり、ちょっと見ていて恥ずかしくなる場面もある。
  • ストーリーがコメディ寄りであるあまり、緊迫したシリアス展開の重さが薄く感じることがあり、“戦い”の重要性が薄れているように思うことがある。
  • 登場人物が多いため、名前や立場を覚えるのに時間がかかる。特に七陰などサブキャラクターが増えると、誰がどの属性か混乱することがあった。
  • 設定上のモブ演出や“影の組織”の暗躍が面白いけど、そのぶん展開の都合で誤解や偶然が多く、話が“ご都合主義”に感じられる箇所がある。
  • ギャグ要素が強くて“笑い”重視な回と“戦闘・異世界ファンタジー”重視な回のバランスが時々アンバランスで、コメディが苦手な人には合わないかもしれないと感じる。

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