レビュー著者: 漫画よしあし
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勇者パーティを追い出された器用貧乏 ~パーティ事情で付与術士をやっていた剣士、万能へと至る~ の感想と評価(良いところ、悪いところ)

勇者パーティを追い出された器用貧乏 ~パーティ事情で付与術士をやっていた剣士、万能へと至る~

勇者パーティを追い出された器用貧乏 ~パーティ事情で付与術士をやっていた剣士、万能へと至る~

著者: 都神樹よねぞうきさらぎゆり

連載: 水曜日のシリウス

ジャンル: 成長ファンタジー追放バトル

評価: 8.3/10

あらすじ

付与術士として勇者パーティを支えていた剣士オルンは、器用貧乏と見なされ追放される。居場所を失った彼は、自身の戦闘経験と付与術の応用力を武器に新たな仲間と出会い、前線で通用する戦い方を再構築していく。武器強化だけでなく連携の最適化や局面判断まで踏み込む戦術描写が特徴で、地味とされた技能が戦局を覆す快感を生む。過去の評価に縛られた人間関係も、実績と信頼の積み重ねで更新され、巻を重ねるほどパーティの結束と役割分担に厚みが出る。追放後の逆転劇を軸にしつつ、準備と工夫で勝つ物語としての納得感が高いシリーズ。仲間の適性を見抜いて最適な役割へつなぐ描写が一貫しており、戦うたびにチーム全体の完成度が上がっていく過程が読みどころになっている。

良い所

  • 追放から再起する王道展開に、付与術の運用という実務的な工夫が重なり、戦闘の説得力が高い。単なる無双ではなく準備と連携で勝つ流れがシリーズ全体で気持ちいい。
  • 主人公オルンの判断は感情だけでなく状況分析に基づき、仲間の特性を活かす采配が光る。巻を重ねるほど戦術の幅が広がり、成長譚としての手応えが強まっていく。
  • 付与術を地味スキルで終わらせず、戦場の役割を組み替える武器として描く点が新鮮。敵味方の相性や配置まで意識した構成で、バトルの読み味に独自性がある。
  • 仲間の信頼回復と新パーティ形成が丁寧で、過去の不遇が後のカタルシスに直結する。人間関係の積み上げが戦闘結果にも反映されるため、物語の連続性が高い。
  • 作画は剣戟の動線と魔法演出の見せ方が明快で、複数人戦でも状況を追いやすい。キャラクターの表情変化も細かく、感情の転換点が読み取りやすい点が強み。

悪い所

  • 能力説明や戦術確認を丁寧に積む章では、即時的な展開を求める読者にとってテンポが遅く感じられる。序盤で加速を期待すると助走の長さが気になる場面がある。
  • 追放ものの定番を踏まえる構成ゆえに、大枠の展開は先読みしやすい。意外性より安定感を重視した作りのため、強い驚きを求める層には物足りなく映る可能性がある。
  • 主人公側の有能さが際立つ反面、敵対勢力の掘り下げが薄い章では対立の厚みが弱まる。相手側の事情まで濃く描いてほしい読者には単調に見える局面が出てくる。
  • 仲間との関係性を重視するぶん、個別エピソードが続く区間ではメイン目標の進行が緩やかになる。物語の大きな前進を待つ読み方だと停滞感を覚えることがある。
  • 爽快感は高いが、勝敗の帰結が比較的きれいに収まる話数では緊張の持続が弱まる。苛烈な敗北や重い代償を強く求める読者とは好みが分かれやすい作品だ。

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