レビュー著者: 漫画よしあし
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citrus の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 柚子と芽衣の、正反対な二人が惹かれ合う心理描写が本当に繊細で美しいです。ギャルと優等生という記号的な設定を超えて、お互いの孤独や弱さを理解していく過程に、百合漫画ならではの深いエモさを感じます。
- サブロウタ先生の圧倒的な画力と「色気」のある演出に一瞬で心を奪われました。キャラクターの潤んだ瞳や肌の質感、そして言葉以上に雄弁な視線の交わし合いが、物語の緊迫感と官能性を最大限に引き立てています。
- 家族という枠組みの中で、「好きになってはいけない」という禁断感に悶えます。もどかしい距離感や、ふとした瞬間に溢れ出してしまう想いの熱量に、読んでいる側も心臓がバクバクするほどの没入感がありました。
- 主人公・柚子の真っ直ぐで健気なキャラクターが大好きです。芽衣の頑なな心を、持ち前の明るさと行動力で少しずつ溶かしていく姿には、「愛の力」を信じさせてくれるような力強さと、深い感動を覚えます。
- 百合というジャンルの枠を超えた、「人を愛することの喜びと苦しみ」を描くヒューマンドラマとしての完成度が高いです。葛藤の末に二人が掴み取る答えは、読むすべての人の心に優しく寄り添い、勇気を与えてくれます。
悪い所
- 物語の展開がかなり「ドラマチックすぎ」て、リアリティに欠けると感じる場面がありました。偶然の重なりや、周囲のキャラクターの極端な行動など、物語を動かすための作為的な演出が鼻につく瞬間があります。
- 芽衣のキャラクター設定があまりにも「鉄壁」すぎて、中盤まで彼女の感情が見えづらいのがストレスでした。柚子が一方的に傷ついているように見える描写が多く、二人の対等な愛を感じるまでが非常に長いです。
- 官能的な描写やサービスシーンが多く、「心理描写よりも視覚的な刺激」が優先されているように見える時期がありました。もっとじっくりと言葉による対話を見たい読者にとっては、少しノイズに感じるかもしれません。
- 脇役キャラクターたちの掘り下げに差があり、主人公二人の愛を盛り上げるための「駒」のように見えてしまうことがありました。彼女たち自身の背景や葛藤をもっと丁寧に描くことで、世界観に厚みが出た気がします。
- 設定の「義理の姉妹」という点が、最後までどうしても倫理的に気になってしまい、純粋に楽しめない部分がありました。この手の禁断要素が苦手な人には、どれほど美しく描かれていてもハードルが高い作品ですね。





