レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

花野井くんと恋の病 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

花野井くんと恋の病

花野井くんと恋の病

著者: 森野萌

連載: デザート

ジャンル: 恋愛少女漫画学園

評価: 9.2/10

あらすじ

花野井くんと恋の病は、森野萌による高校生ラブストーリー漫画。冬のある日、主人公のほたるが隣のクラスの花野井くんに傘を貸したことをきっかけに、彼から突然「付き合ってほしい」と告白される。恋がまったくわからないほたると、愛情表現が重すぎるほど熱烈な花野井くんという対照的なふたりが、仮の恋人として試行錯誤しながらゆっくりと距離を縮めていく物語だ。花野井くんの愛着形成の背景にある深い心理描写と、ほたるの素直な感情の変化が丁寧に描かれており、読者の共感を呼ぶ。繊細な作画、特に目の表現力が絶賛されており、第45回講談社漫画賞(少女部門)受賞、2024年春アニメ化と高い評価を受けた完結作品。

良い所

  • 愛着障害を単なる漫画的な設定にせず真剣に描いており、花野井くんの歪んだ認知と自傷行為が美化されていないリアルな描写に胸が苦しくなりながらも目が離せなかった。
  • 目の描き方が圧倒的で、ヒロインの感情の成熟度の高さと花野井くんの重すぎる愛情のコントラストが絶妙。読んでいてずっと胸がキュッと締め付けられるような作品だ。
  • 可愛いロマンスとして読み始めたのに、気づいたら複雑な感情の葛藤を丁寧に追う作品になっていた。1巻の最後に隠された事実を知って感動して思わず泣いてしまった。
  • 仮の恋人として距離を縮めていく過程がピュアすぎて胸が痛くなるほど。ほたるが花野井くんの暴走しそうな愛情に対してちゃんと怒ってあげるヒロイン像が愛おしい。
  • ほたるが恋に不慣れながらも嬉しい気持ちを花野井くんと共有しようとする姿が本当に愛らしい。受け入れるだけでないヒロインの主体性がこの作品の魅力の核心だと思う。

悪い所

  • 花野井くんの愛情表現が過剰すぎて「ストーカーの一歩手前では?」と感じる場面がある。重い男子が苦手な読者には少し読みにくい部分があるかもしれないと思った。
  • 最初から読み続けても主人公の花野井くんのキャラクター性にどうしても愛着が持てないまま読み続けることになった。言動が怖いと感じてしまうと感情移入が難しい。
  • 恋愛の進展がかなりゆっくりで、仮の恋人関係から本物の関係になるまでに時間がかかりすぎると感じた。焦らしが得意でない読者にはもどかしさが続いてしまうかもしれない。
  • 恋愛描写が中心なので学校生活の他の側面や友人関係の掘り下げが薄めに感じる巻もある。二人の世界に閉じこもりがちで、もっと広い視野の描写があればよかった。
  • 同じような葛藤と和解のパターンが繰り返される展開が後半に多く少し既視感を覚えた。それでも読ませる筆力はあるが、もう少しストーリーに変化が欲しかった。

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