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怪獣8号 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

怪獣8号

怪獣8号

著者: 松本直也

連載: 少年ジャンプ+

バトルSF怪獣アクションドラマ

評価: 9/10

あらすじ

怪獣発生率が極めて高い日本。「日本防衛隊」が怪獣討伐にあたる世界で、かつて防衛隊員を目指していたが落選し、現在は怪獣の死体清掃業者で働く32歳の男・日比野カフカ。ある日、怪獣の力を持つ謎の存在と接触し、自身が怪獣8号と呼ばれる存在となってしまう。怪獣としての自分と、人間としての夢、防衛隊員になるという希望と現実のはざまで苦悩しながら、強大な怪獣や組織との戦い、仲間との絆、そして正義とは何かが描かれていく。

良い所

  • 主人公カフカの“諦めた夢を再び追う”姿勢が刺さった。年齢的にも普通の“若きヒーロー”とは違うから応援したくなる存在だ。
  • 怪獣と戦うバトルシーンの迫力がすごい。特に防衛隊員たちとの共闘や怪獣9号との戦いでページをめくる手が止まらなかった。
  • 亜白ミナや四ノ宮キコルなどヒロイン勢や仲間キャラの設計がきちんとしていて、ただ主人公を引き立てるだけでなく、それぞれに魅力や信念があって物語に厚みがある。
  • ストーリーに謎が多くて先が読めない。怪獣がなぜ現れるか、防衛隊の仕組み、怪獣9号・10号の動機など、伏線の張り方がうまくて考察する楽しさがある。
  • Art(作画)の見栄えが良い。怪獣のデザイン、巨大感、破壊描写、武器・戦闘シーンの描き込みが細かくて、“怪獣もの”として視覚的にも満足度が高い。

悪い所

  • 巻が進むにつれて展開がゆったりになる部分があり、特に中盤以降で“待たされてる”感じが強くなったシーンがあって、ドキドキ感が薄れることがある。
  • 正体バレや能力が明かされるタイミングが早めで、主人公の秘密や葛藤の戦略性が薄れてしまったと感じる。
  • 設定が王道寄り過ぎるところがあって、既視感を覚えるキャラ造形や展開が散見されるため“新鮮さ”が減る場面がある。
  • 敵キャラクター(怪獣9号など)の目的や動機が曖昧なことが多く、戦いの理由が見えにくくなる場面があって物語に共感しにくいことがある。
  • キャラクター人数が多いため、誰がどの立場でどの思いを持っているか追いきれないことがある。隊員ごとの掘り下げに差があって、一部キャラは淡泊に感じる。

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