レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
ZETMAN の感想と評価(良いところ、悪いところ)
ZETMAN
完結著者: 桂正和
連載: 週刊ヤングジャンプ
評価: 8.2/10
あらすじ
手の甲に円状のコブを持つ不思議な少年・ジン。彼は浮浪者の「じいちゃん」に育てられ、超人的な身体能力を持ちながらも貧しく穏やかに暮らしていた。しかしある日、突如現れた理不尽な「プレイヤー」によってじいちゃんを惨殺され、ジンの運命は一変する。天城財閥が作り出した人造生命体プレイヤー、そしてジン自身がそのプレイヤーたちを駆逐するために設計された究極の生命体「ZET」であることを知る。科学技術を駆使した自らの絶対正義に殉じるもう一人の少年・天城高雅(アルファス)と出会い、二人の正義と葛藤が重なり合いながら世界の運命を懸けた凄惨な戦いが幕を開ける、至高のダークヒーローSFアクション!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 怪物の造形から戦いの場面まで、細部まで描き込まれた美しい絵にじっくり見入りたい人
- 何が善で何が悪なのかを問いかけてくる、重く骨太な人間ドラマを味わいたい人
- きれいごとでは済まない、泥くさく立ち上がるダークヒーローものに惹かれる人
向いていない人
- 救いの少ない重たい展開が続くと、読んでいて気が滅入ってきてしまう人
- 物語が途中で止まったままだったり、回収されない謎が残ったりするのが苦手な人
- 最近のすっきりした絵に慣れていて、デッサンのクセに古さを感じてしまう人
良い感想・レビュー
- アメコミヒーローへの強い愛を感じる、圧倒的に美麗で緻密な作画に終始震えた。人造人間のZETや高雅のアルファスの造形美、グロテスクな怪物のディテール、戦闘時の躍動感のすべてが恐ろしい画力で描かれている。
- 本能の力に翻弄されるジンと、富豪のテクノロジーで理想の正義を貫こうとする高雅という、二人の対照的な主人公の葛藤が実に深い。何が本当の善で何が悪なのかを深く問いかけてくる、重厚なドラマが素晴らしい。
- これほど容赦がなく陰惨な展開が続く骨太でシリアスなダークヒーローものは他にない。大切な人が理不尽に命を落とし、世界の醜い陰謀に翻弄されながらも立ち上がるジンの泥臭い姿に、何度も胸が熱くなった。
- 天城財閥の高度な科学技術や人造生命体プレイヤー、ジンの変身システムなど、細部まで作り込まれたSF設定が男心をくすぐる。アメコミ的なガジェットの格好よさがあり、デザインを見るだけでも大満足だ。
- とにかく戦闘シーンの構図や殺陣のスピード感が素晴らしく、息を呑む大迫力のアクションシーンが満載だ。桂正和先生の職人芸とも言える画力の恩恵を存分に浴びることができ、SFとして最高の一冊だと思う。
悪い感想・レビュー
- 20巻で「第一部完」となってから10年以上経つのに未だに第二部が始まっていないのが極めて残念だ。回収されない伏線や謎が多く残り、高雅との決着も曖昧なままなので、あまりの消化不良にモヤモヤする。
- 身内が無惨に殺され、肉体が破壊され続ける救いのない容赦ない鬱展開の連続に読んでいてかなり気が滅入ってしまった。精神的な負荷が非常に強いため、爽快でハッピーな王道のヒーローものを期待するとキツい。
- 高雅の「絶対正義」への固執が、あまりにも独善的で頑固すぎるため、高雅の独りよがりな行動にイライラした。自分の理想のためなら周囲を傷つけることも厭わない自己満足なエゴに、見ていて少し嫌悪感を抱いた。
- 中盤以降、プレイヤー組織や財閥の裏工作が絡み合い、説明的なセリフが多くて戦闘の疾走感やテンポが落ちてしまった。複雑な組織の陰謀劇よりも、初期のシンプルなジンの一対一の死闘をもっと読みたかった。
- 劇画のような緻密なタッチは素晴らしいが、登場する美少女のデフォルメの一部や、特有の筋肉や骨格のデッサンの癖が強い。近年のクリアで現代風なクリアな絵に慣れている私には、少し絵柄に古さを覚えてしまった。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
アメコミヒーローへの強い愛を感じる、圧倒的に美麗で緻密な作画に終始震えた。人造人間のZETや高雅のアルファスの造形美、グロテスクな怪物のディテール、戦闘時の躍動感のすべてが恐ろしい画力で描かれている。
20巻で「第一部完」となってから10年以上経つのに未だに第二部が始まっていないのが極めて残念だ。回収されない伏線や謎が多く残り、高雅との決着も曖昧なままなので、あまりの消化不良にモヤモヤする。
本能の力に翻弄されるジンと、富豪のテクノロジーで理想の正義を貫こうとする高雅という、二人の対照的な主人公の葛藤が実に深い。何が本当の善で何が悪なのかを深く問いかけてくる、重厚なドラマが素晴らしい。
身内が無惨に殺され、肉体が破壊され続ける救いのない容赦ない鬱展開の連続に読んでいてかなり気が滅入ってしまった。精神的な負荷が非常に強いため、爽快でハッピーな王道のヒーローものを期待するとキツい。
これほど容赦がなく陰惨な展開が続く骨太でシリアスなダークヒーローものは他にない。大切な人が理不尽に命を落とし、世界の醜い陰謀に翻弄されながらも立ち上がるジンの泥臭い姿に、何度も胸が熱くなった。
高雅の「絶対正義」への固執が、あまりにも独善的で頑固すぎるため、高雅の独りよがりな行動にイライラした。自分の理想のためなら周囲を傷つけることも厭わない自己満足なエゴに、見ていて少し嫌悪感を抱いた。
天城財閥の高度な科学技術や人造生命体プレイヤー、ジンの変身システムなど、細部まで作り込まれたSF設定が男心をくすぐる。アメコミ的なガジェットの格好よさがあり、デザインを見るだけでも大満足だ。
中盤以降、プレイヤー組織や財閥の裏工作が絡み合い、説明的なセリフが多くて戦闘の疾走感やテンポが落ちてしまった。複雑な組織の陰謀劇よりも、初期のシンプルなジンの一対一の死闘をもっと読みたかった。
とにかく戦闘シーンの構図や殺陣のスピード感が素晴らしく、息を呑む大迫力のアクションシーンが満載だ。桂正和先生の職人芸とも言える画力の恩恵を存分に浴びることができ、SFとして最高の一冊だと思う。
劇画のような緻密なタッチは素晴らしいが、登場する美少女のデフォルメの一部や、特有の筋肉や骨格のデッサンの癖が強い。近年のクリアで現代風なクリアな絵に慣れている私には、少し絵柄に古さを覚えてしまった。





