レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

ARIA(AQUA) の感想と評価(良いところ、悪いところ)

ARIA(AQUA)

ARIA(AQUA)

著者: 天野こずえ

連載: 月刊コミックブレイド/月刊ステンシル

ジャンル: ファンタジー日常青年マンガSF

評価: 9.3/10

あらすじ

惑星テラフォーミングにより、水の惑星となった火星(アクア)。そこにある観光都市ネオ・ヴェネツィアを舞台に、一人前の水先案内人(オランディーヌ)を目指す少女・水梨灯里の日常を描く。街に溢れる不思議な出来事や、四季折々の美しい風景、そして仲間たちとの温かい絆を通して、灯里は日々の生活の中に隠された「素敵」を次々と見つけていく。天野こずえが圧倒的な透明感と緻密な筆致で描き出す、未来形ヒーリング・ファンタジーの金字塔。大きな事件は起きないけれど、読む者の心を優しく解きほぐし、当たり前の毎日が愛おしくなる、魔法のような物語!

良い所

  • 「読むマイナスイオン」という言葉がぴったりなほど、穏やかで優しい世界観に深く癒やされました。水の惑星アクアの美しい情景と、灯里たちの温かい交流を見ているだけで、日々のストレスが綺麗に浄化されていきます。
  • 灯里の「素敵を見つける天才」な考え方に触れて、当たり前だと思っていた日常の何気ない幸せに気づかされました。読んだ後に世界が少しだけ輝いて見える、私の人生において最も大切なバイブルと言える素晴らしい名作です。
  • ネオ・ヴェネツィアの緻密で美しい作画に圧倒されました。ゆったりとした時間の流れを感じさせる描写が本当に心地よく、ページをめくるたびに自分もアクアを旅しているような没入感を味わえる、唯一無二の傑作ですね。
  • 一人前の水先案内人を目指す少女たちの成長と、師匠たちとの深い信頼関係に何度も胸が熱くなって涙しました。ライバルでありながらお互いを高め合う、彼女たちの真っ直ぐな絆が尊すぎて、最後まで見届けて感無量です。
  • 派手なバトルや事件はないけれど、心に深く沁み渡る哲学的なメッセージが詰まった作品です。「恥ずかしいセリフ禁止!」と言いつつも、素直に想いを伝え合う大切さを教えてくれる、優しさに満ち溢れた読後感が最高。

悪い所

  • 大きな事件や対立が起きない日常モノなので、刺激的なストーリーやスピード感を求めている私には、少し退屈で平坦すぎると感じてしまいました。物語に起伏が少ないため、一気に読むと途中で飽きてしまう瞬間があります。
  • 作中の「恥ずかしいセリフ」や独特の詩的な言い回し、キャラクター特有のリアクションが少しクドく感じてしまい、どうしてもノリに馴染めませんでした。世界観は素敵ですが、演出の甘ったるさに少し疲れを感じます。
  • 長期連載の中で、初期のSF設定や通信手段などが微妙に変化しているのが気になりました。未来の話なのに少し古さを感じる描写もあり、SFとしての厳密な整合性を求める私には、設定の詰めが甘いように見えて残念です。
  • 物語の終盤、主要キャラクターの進路や将来が比較的トントン拍子に決まっていく展開に、少し急ぎ足な印象を受けました。もっと時間をかけて、彼女たちの別れや新しい旅立ちの余韻をじっくりと楽しみたかったのが本音です。
  • 天野こずえ先生の独特なデフォルメや絵のクセが、シリアスなシーンでもギャグっぽく見えてしまうことがあり、感情移入を妨げられる時がありました。美しい風景描写に対して、人物の描き方に少し違和感を覚えてしまいます。

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