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レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

図書館の大魔術師 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

図書館の大魔術師

図書館の大魔術師

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著者: 泉光

連載: good!アフタヌーン

ジャンル: ファンタジー日常冒険

評価: 9.1/10

あらすじ

本を愛しながらも、貧しさと『みにくい耳長』の混血ゆえに図書館の使用すら禁じられていた少年・シオ。彼の閉ざされた世界を救ったのは、本の都アフツァックの中央図書館で働くエリート司書(カフナ)のセドナだった。この出会いを機に、本に宿る知識で世界を繋ぐ司書になることを誓ったシオは、過酷な司書試験を突破し、仲間たちと共に未知の怪異や民族対立の闇へと立ち向かう。泉光の描く、衣装の刺繍や王宮の装飾まで執念の手描きで埋め尽くされた超絶的な作画。本への圧倒的な愛と歴史の重厚さを紡ぎ出す異世界ビブリオファンタジーの最高峰!

良い所

  • 俺、泉光先生の手描きによる、中世の民族衣装の刺繍や壮麗な圕の建築の狂気じみた緻密な作画に息をのんだ。一コマ一コマが絵画のような圧倒的な密度で、ページを捲るだけで美術館にいるような多幸感。
  • ただの魔法バトルじゃなく、「本の修復、紙の製造、世界の知識を保存する図書館の社会的意義」を巡る設定の深さが素晴らしい。食い違う民族の歴史や言語を本を通じて和解させる知的な展開に痺れまくる。
  • 差別されていた混血の少年シオが、かつて本を貸してくれたセドナの約束を果たすために、必死に勉強して超難関の司書試験に挑む成長劇に本気で号泣。不器用だけど真っ直ぐな彼の瞳を全力で応援したくなる。
  • 魔物退治だけでなく、異なる人種同士の根深い偏見や奴隷制度といった、異世界の生々しい闇と融和のドラマの描き込みがとにかく重厚。綺麗事だけじゃない、世界の多角的な視点を教えてくれる傑作だと思う。
  • 見習い司書たちが本を創り出す『福書典祭』を巡るお祭り騒ぎと、裏で静かに忍び寄る暗殺のサスペンスに興奮が止まらない。これだけ長く続いているのに、設定のキレが全く衰えなくて凄い。

悪い所

  • とにかく単行本が出るスパンが年に1回程度と、刊行ペースが非常に遅くて待ちきれないのが難点。あまりに情報量が多く、新刊が出る頃には、前巻の細かい制度や専門用語を忘れてしまうのがファンとしての不満。
  • 世界観の解説や、図書館の規律に関する説明台詞のテキスト量が画面を埋め尽くすほど非常に多いため、サクサクと絵のプロットだけで冒険を楽しみたい僕には少し重かった。一話一話が教科書を読んでいるように難解。
  • 登場キャラクターが全員美男美女なのは良いが、同じようなパッチリとした目の美形デザインで描かれているため、新キャラが増えてくると誰が誰だか顔の判別がつきにくい。衣装で見分けるのが精一杯なのが本音。
  • 華やかな福書典祭の最中であっても、「かつてセドナが犯した過ち」や「世界の滅亡ルート」といった重い宿命が不気味に陰を落としていて心が苦しくなる。もっと初期の、のどかな冒険の旅路を長く見たかった。
  • 著者の過去作が途中で未完のまま止まっているため、この広大な伏線と設定を最後まで綺麗に完結できるのか、一人のファンとして少し不安がある。この大傑作だけは、必ずシオの旅路の最期まで描き切って欲しい。

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