レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

BLAME! の感想と評価(良いところ、悪いところ)

BLAME!

BLAME!

著者: 弐瓶勉

連載: 月刊アフタヌーン

ジャンル: サイバーパンク青年マンガSFアクション

評価: 8.9/10

あらすじ

どこまでも果てしなく広がり続ける巨大な階層都市。かつて人類は「ネット端末遺伝子」を持ち、都市のシステムにアクセスして全てを完璧にコントロールできる理想世界を築いていた。しかし、原因不明の厄災により人類はそのアクセス権を失い、システムは暴走。都市は防衛プログラム「セーフガード」によって、不正なアクセス者である人類を容赦なく「駆除」し続ける危険な世界へと変貌してしまった。主人公の探索者・霧亥(キリイ)は、システムの正常化と人類の存続をかけ、強力な武器「重力子放射線射出装置」を手に、途方もないスケールの超構造体を放浪し続ける。言葉を極限まで削ぎ落とし、圧倒的なビジュアルと静寂で描かれる、弐瓶勉のハードSFサイバーパンクの金字塔!

良い所

  • 無機質で果てしなく広大な階層都市のビジュアルが圧倒的です。言葉を削ぎ落として絵で語る弐瓶勉先生の表現手法に、唯一無二の世界観へ一気に引き込まれました。
  • セリフや説明が極端に少なく、空間の広がりや静寂を感じさせる描写がサイバーパンクファンにはたまりません。想像力を掻き立てられる、芸術作品のような素晴らしい漫画です。
  • 主人公・霧亥が放つ強力な武器『重力子放射線射出装置』の破壊力の描写など、ダイナミックなアクションシーンに迫力があり、読んでいて息を呑むようなカタルシスがありました。
  • 途方もないスケールの巨大建築物と、そこに息づく異形の存在たちが本当に魅力的です。孤独な旅を続ける霧亥の背中に、哀愁とカッコよさを感じて何度も読み返してしまいます。
  • SFとしての設定の奥深さに圧倒されます。すべてを語らずに読者に想像させる余白の使い方が見事で、これほどまでに没入感のあるハードSFに出会えたことに感謝しかありません。

悪い所

  • ネット端末遺伝子やセーフガード、珪素生物といったSF用語の説明がほとんどなく、時間や空間のスケールが遠大すぎるため、設定が難解で理解が追いつかずかなり疲れました。
  • セリフが極端に少ないため、読者側で行間や状況を補完する必要があり、何が起きているのか分かりにくい瞬間が多々ありました。雰囲気マンガに感じてしまう、かなり人を選ぶ作風です。
  • 戦闘シーンの描き込みが複雑で、迫力はあるものの誰がどう攻撃しているのか状況を把握しづらいコマが時々ありました。もう少しスッキリとした構図の方が読みやすかったと思います。
  • 物語の明確なゴールや登場人物たちの感情の起伏が見えづらく、ただ淡々と巨大な構造物を進んでいくだけの展開に、途中で少しマンネリや退屈を感じて飽きてしまいました。
  • グロテスクな描写や残酷な展開が多く、世界観全体が暗く重苦しいため、読んでいて少し精神的にしんどくなる時期がありました。明るいエンタメを求める私には少し合いませんでした。

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