レビュー著者: 漫画よしあし
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去る者は日々に疎し の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 仏壇屋の店員が「死のにおい」を嗅ぎ分けるという設定が斬新で、命と未来の運命的な出会いに一気に引き込まれました。死を身近に感じるからこそ、生きていくことの重みがひしひしと伝わってくる名作です。
- AV業界という刺激的な舞台を扱っていますが、そこにあるのは剥き出しの人間ドラマと孤独でした。未来の抱える哀しみが丁寧に描かれていて、彼女が少しずつ心を開いていく姿に、思わず目頭が熱くなりました。
- 葉月先生の描くキャラクターの表情が非常に豊かで、言葉にならない絶望や希望の微かな光が画面から伝わってきます。シリアスなテーマですが、命の優しさが救いになっていて、最後まで夢中で読み進められました。
- 須田様のエピソードなど、亡き人を想う遺された人々の姿が本当に切なくて、「死」というテーマの捉え方に深く考えさせられました。綺麗事だけではない、人間の生々しい感情を掬い取るような筆致が素晴らしいです。
- 過去のトラウマに縛られていた命が、未来との関わりを通じて自分自身の生を見つめ直す過程が秀逸です。性と生が背中合わせにあるという現実を、これほどまでに美しく、残酷に描き切った作品は他にありません。
悪い所
- 物語のテーマは非常に深いのですが、物語に直接関係のない過剰な性的描写が目立つ場面があり、少し戸惑ってしまいました。純粋な人間ドラマとしての完成度が高いだけに、サービスシーンが蛇足に感じる時があります。
- 「死のにおい」という特殊能力の設定が、中盤以降少し都合よく使われすぎている印象を受けました。もう少し、彼がその力に対して抱く恐怖や葛藤を、初期の頃のように泥臭く描いてほしかったなというのが本音です。
- 登場人物たちが総じて重い過去を背負っているため、一気に読むと精神的にかなり削られてしまう重さがあります。もう少し休息となるような、日常の穏やかなシーンとのメリハリがあれば、より没入できた気がします。
- 一部のエピソードで、解決方法が少し極端というか強引に感じられる場面がありました。非常にリアルな心理描写が売りの作品なので、もう少し納得感のある展開で彼らの救いを見せてほしかったなと感じました。
- 絵柄は非常に綺麗なのですが、シリアスなシーンでも女性の肉体美が強調されすぎていることがあり、物語の緊張感が削がれてしまう瞬間がありました。表現の自由ですが、もう少しトーンを抑えても良かったかもです。





